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ボーディングスクールからの大学進学 本当にやりたいこと

私のお世話した生徒で帰国子女であったため英語力は抜群、成績は中の上という生徒がいました。その生徒が本当にしたかったことは、サービス業の分野だったそうです。コーネル大学のホテルマネジメントは有名な学部ですが、そこまでは手が届きませんでした。その分野を世界的視野で見た場合、理想の高等教育機関はスイスでした。進学そのものの難易度としては、大きな問題はなく、手続き的にみてもさしたる問題はありません。しかし、唯一費用的な問題が解決できませんでした。結果として、日本の大学に進学しました。
日本の大学に進学する以上、卒業後の進路も当然視野に入れた学校選択をするわけですが、その生徒は自分が興味を持っている国際関係の分野を最終選択肢として選びました。その大学よりも偏差値の高い大学の国際関係ではない学部二も合格していたのですが、自分のやりたいことをより尊重した選択をしたわけです。
大学三年となり、自分でテーマを追求する課題に取り組み、世界の中からフィリピンを選択して、彼の国の現実を知るべく渡し、ごみ山に屑を拾って生計を立てている人たちにインタビューを試みます。
―あなたはなぜこのようなことをしているのですか
「もちろん、家族のためさ。ごみ山の中から、少しは売れるものもあるから、それを集めれば何とか家族を養っていけるのさ。家族がいなければ、こんなことはしていないさ」
この答えに、その学生は衝撃を受けます。人生を根本から考えさせられたのでしょう。「家族」というキーワードが学生を捉えます。ごみ山でしか、働けないのか。フィリピンの雇用はどうなっているのか。なぜ、一家を支える人間が、このような屈辱的ともいえる仕事をしているのか。フィリピンと対比して、日本の厳現状、雇用、失業率などはどうなっているのか。研究課題が加速度的にイメージされるなかで、彼は「自分の家族」というイメージを未来に向けて確立していくことになります。
貧しくても、不名誉でも、家族を養うという具体的な目標を明確にしたゴミ拾いをしている人間が彼を心底刺激したわけです。
大学で本当にやりたいこととはいったい何でしょうか。日々、更なる学習に明け暮れる学生、アルバイト生活を中心に考える学生、勉強はそこそこで、課外活動に生きがいを見出す学生などなど、さまざまなパターンがオーケーなのが大学生と言えると思います。そのなかで、自分が本当に探し求めていたことに当たった学生はラッキーといえるでしょうか。
ラッキーを日本語に訳すと幸運ですが、一般に私たちは「ついている」という言葉を生活のなかでつかいます。大学で本当にやりたいことを見出せた学生はついているというフレーズには、偶然という要素がかなり多くあると思われがちです。しかし、現実は、ついている学生はつきをつかみ取っていると私は思っています。
(つづく)

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