日曜コラム 春過ぎて夏きにけらし
持統天皇の歌には少しばかり早いですが、
ここ数年、夏の到来が一二か月早くなっているように思います。
暑さだけではありません。
異常な降雨も増えているように思います。
昔を知らない若い世代の人たちにとっては、
連休の暑さやゲリラ豪雨など異常気象があたりまえになるのかも知れません。
持統天皇の昔といえば、七世紀の終わりごろですが、
白い衣がひらひらと風に舞っている様子は、まさに今日のお天気のようです。
彼女がこの歌を作ってから、千三百年あまり経って、
季節が二か月くらい早くなったというのは、まるで空想ですが、
もしかするとそれが現実になると「コンピュータがシミュレートした」
などと発表されたらどうしましょう。
いよいよ若い世代には、想像力、創造力が求められるかもしれません。
しかしながら、暑かったり、寒かったり、とかくこの世はままなりません。
お天気だけではありません。
人々の行いも疑問が多くなっているように思います。
また、半世紀前であれば、考えられないようなことも報道されるように
なり、将に情報が氾濫する世の中になってきました。
世界がどんどん動いているようにも思います。
そして、新たな世界は人々を飲み込もうとしています。
飲み込まれたくなければ、自分の信念を持たなければならないでしょう。
では、その信念はどのようにして作ればいいのでしょうか。
それが教育の根本に置かれるべきです。
知っていてもそれだけでは、宝の持ち腐れどころか、
これからは知識が人々を翻弄さえしそうです。
必要においてもとめ、必要において出すといった主体性が
これからの社会には求められそうです。
今年のゴールデンウィークが始まります。
日本では、民族大移動が起こりますが、いずれの国も
同様の状況は年に数回起こります。
私事にわたりますが、明日、30年ぶりの
モーターサイクルツアーに出かけます。
家内は、バイクによる「ツーリング」というのは
複数で行うものと思っていたそうです。
私が学生時代に京都や能登に「ツーリング」で行ったものだと
いうと、バイク一人旅はツーリングではないそうです。
知識とは、「何だろう」というヒントを彼女は与えてくれます。
持統天皇も笑っています。