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バイリンガル生徒のカルチャーショック 母とのコミュニケーション

<前日のブログに続きます>
自ら授業料を捻出し、アメリカでの生活をどうにかするとたくましい生徒ですが、
彼のこの「一人で生きていける」という意地も実は、
長きにわたる寮生活や、現地で拡大される人間関係という第二の「絆」が
あるからこそ、彼にそう言わしめたのではないだろうかと思います。
現実的には、彼が仮にボーディングスクール卒業後に、
現地で自立生活ができるとは、まだ考えられません。
また、六年にもなるアメリカでの学校生活の費用は、すべて日本の家族が
負担したわけですから、その部分をどう「返す」かも本来なら考えなければ
なりません。
彼は南カリフォルニアにスティック(こだわる)します。
なぜと聞くと、友だちがたくさんいるからだそうです。
― でも、アメリカ人は平気でサンフランからニューヨークに行くよ」
「Doesn’t matter. I just want to be with my friends.」
― それもそうだね。君は君であってあたりまえだよね」
Rite.
― ところで、大学はどうするんだ。お母さんが私に会いたいと言っているが、大学進学のことが話題になるにきまっている。卒業後一年間は好きなことやりたいと聞いたが、本当なのか。
I would like to・・・but she won’t allow me to do so.
She just doesn’t listen to me.
― まあ、そう言うな。母はひとりで毎日、東奔西走して、一所懸命仕事している。彼女を除いて誰が、君のために授業料を捻出してくれるのだ。もう、子どもじゃないのだから、そんな母を支えるのが、男としての君の役割。
「Oh, no, don’t say that. That’s not fair. I understand making money but before that, we are equal human beings. Mom should listen to me before preaching.」
― そうか。では、私が君の話を聞こう。それでよかろう。私は君のファンだからな。君にとても関心がある。君はきっと自分の人生を生きるようになる。そして、母もそれを認めるようになる。お願いだから、unfairな母でも理解してやれ。それが男だよ。
「Oh, no I can’t. But I’ll try.」
― 私の話を聞いてくれてありがとう。
彼はこの一年でGPA(Grade point average:平均成績)を
一ポイントあげました。平均三が四になったということです。
すごいことです。
彼を担当するアドバイザー先生もベタ褒めです。
「そんなことがあるんだなあ」彼に言うと、
I like my school. It’s a good school for me. So I want to stay around this place.
人は好きになるととんでもない力を自然に発揮できると思います。
彼には、何としても間を開けずに進学してもらいたいものです。
そのためには、最終学年である今年九月からの新学期からのプランニングが
とても重要ですし、家族全体で考えたいものです。
まだ、お母さんと対等な目線で話のできる状態ではない彼ですが、
私の役割はそのような彼とお母さんを結ぶ一つのきっかけを作る
ことかもしれません。
そのために私自身が、彼とお母さんの良いところを徹底的に
認識する必要があります。
その目標に向かって、彼のお世話の集大成の年にしたいと思います。

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