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あるお母さんのカルチャーショック その10 勉強の本質

<前日のブログに続きます>
親ばかは自分からそういえるうちは、まだいいのかもしれません。
私的な経験で恐縮ですが、私が自らを親ばかというと、
それを聞いたファミリーは、
「斉藤さんの熱意は、お子さんに伝わっています」
「いずれ、斉藤さんの気持ちは、お子さんたちが理解するでしょう」
などと、励まされます。心底から、親ばかでもいいと思います。
さて、今回の主人公であるお母さんがもっとも大切にしていると思われる、
「たくましく生きる」ということを幸福論的に展開して、彼女いわく、
「幸せとは、人から与えられるものではなく、自らが感じるもの」だそうです。
そして留学は、子どもたちのそのための多くの要素を与えてくれるという
ことになります。
先日の司馬さんのエッセイのうち、「洪庵のたいまつ」と、
お母さんが言及されることの一部が私には完全にオーバーラップします。
洪庵は当時では先進の蘭方医です。その彼は医者であるかたわら
適塾という小さな学校を当時の大坂に作り、人々に開放します。
司馬さんは洪庵の学校を「素晴らしい学校」といいます。
彼の文章をそのまま引用します。
入学試験などない。
どの若者も、勉強したくて、遠い地方から、はるばるとやってくるのである。
(中略)先生は洪庵しかいない。彼は診療をしながら教える。体が二つあっても足りないほど忙しかったが、それでも塾の教育はうまくいった。塾生のうちで、よくできる者ができないものを教えたからである。
(中略)医者がこの世で生活しているのは、人のためであって自分のためではない。決して有名になろうと思うな。また利益を追おうとするな。ただただ自分をすてよ。そして人を救うことだけ考えよ。
適塾出身で一番有名な人は、福沢諭吉でしょう。彼は、洪庵のもとで、
先生の意思をついで、慶応義塾大学を始めたのに違いありません。
ニュージーランドへの留学は、実質的に入試はないと言えます。
そんなニュージーランドの学校に、世界の国々から留学生がやってきます。
はたして、純粋に勉強するためとはいえないまでも、
みな、何かをもとめてやってきます。
その何かとは、学びたい人が考えることです。
決して、受け身的学習ではありません。
洪庵もニュージーランドも「受け入れる」という姿勢がいいと私は思います。
あとは、そこで教える人たちの熱意、誠意、愛情でしょう。
英語圏一般に、日本人のような気遣いはないと思います。
そして、よく約束を忘れます。それでもあまり気にすることもない人たちです。
ここからが核心ですが、留学生たちは、そんな人たちを認め、受け入れて、
自らを伸ばしていくことになります。
お母さんは、子どもたちにとって、「海の向こうの洪庵である」という理屈に
無理があることは承知で書きます。
しかし、子どもたちに強要することなく、彼らの資質をしっかり見つめ、
受け入れ、そして伸ばすことに人生の喜びを感じているのは、
お母さん本人に他なりません。

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