日曜コラム 子猫
千葉県で養蜂家を目指して仕事をしているわが家の二男が猫を飼いました。
アルバイト先のガソリンスタンドに迷い込んできた子猫だそうです。
家内からそう聞かされて、今回彼が帰宅したおり、子猫も家に連れてきました。
体の大きさが十五センチほどの小さな猫ですが、
この珍客に家内は興味津々で餌をやったり、猫じゃらしで子猫の気を
惹こうとしたりして、飽きずに子猫と関わっています。
「あかちゃんてなんでも、すっごくかわいいねぇ」
「神様がそう、作ったとしか思えない」
「かわいければ、まわりから優しくされて生きていけるだろうって・・・」
確かに、子猫の行動は私も気になります。
犬と違って、猫は人に馴れる度合いも低く、マイペースなところも、
「いいなあ」などと思います。
二男と何らかの「ご縁」でわが家のなかをあちこち探検するように
動いている子猫です。
私が自宅のリビングで、畳上でノートパソコンに向かっていると、
その横を音もなく横切っていきます。
出窓に登ろうとして、果たせず床に落ちることもあります。
リビングの角に置いてあるデスクトップパソコンの後ろで
のんびりしていることもあります。
夜になって、部屋のくらがりでうとうととしている子猫をみると、
ブロードウェイでむかし見た「キャッツ」を思い出しました。
こちらがほんものの猫で、キャッツはにせものの猫ですが、
ほんもの猫がしゃべりだすのではないかなどと勝手な想像をします。
人間以外の生き物と親しく同じ屋根の下で過ごすのは初めての私ですが、
言葉でのコミュニケーションこそ子猫とはできませんが、
小さな、小さな生命が、「猫」という生き物をして存在せしめることに
私は、とても関心を持ちます。
朝、公園までの道すがら、かならず犬と散歩をしている人たちに出会います。
その人たちにとって、犬という命はかけがえのないものだと思います。
庭の多年草の植込みに長々とした尻尾をもった蜥蜴がちょろちょろと
入っていきました。
家の東側の雨戸をあけると、畑にいた数羽のすずめがばたばたと
飛んでいきました。
子猫と親しくなったおかげで、人間以外の生き物とも、親しくなれそうです。
家内は、生き物の赤ちゃんは何でもかわいいといいました。
では、彼らが成長するとどうかというと、かわいくなくなるそうです。
自分で生きていけるから、かわいくあって他の気を惹く必要がないという
ことなのでしょうが、「かわいい」と思うのは、母性の特徴なのでしょうか。
こんど二男か帰ってくるのは、いつか決まってはいませんが、
はたして、成長した子猫がどう変貌しているか、
私はたいへん関心があります。