迷える青年 - NZ留学の現実 留学二か月目 その2
<前日のブログに続きます>
ホームステイでの青年のトラブルだけを集中して考えると、
彼の全体像がぼやけてしまいます。そうすると、悪いことが目立ってしまい、
留学本来の彼の大きな目標を見失ってしまうことにもなりかねません。
青年はこの二カ月の間に、ラグビーチームに参加し、ワントライをあげています。
また、アウトドアエデュケーションというニュージーランドの自然を
色々なかたちでしるためのクラスでは、ロッククライミングに挑戦し、
単位を取得しています。
「コミュニケーション」の必要性、重要性が重視されるグローバル時代ですが、
私は、青年がこの二カ月で達成した学業以外のコミュニケーションは
とても評価しています。
彼自身もスポーツに参加することで、地元の生徒たちと親しくなれると
私に語っていました。親しくなることで、彼らをよりよく知ることができる。
そうすると、彼らと自分との精神的距離がぐっと近くなります。
近くなると、何でもすなおに言えるようになる。また、聞けるようになる。
そうすると、言う側である青年の英語力が必然的に伸びることになります。
聞く側である地元の生徒も、彼の英語の不備を指摘するようなことは、
実はあまりないのです。
それよりも、彼が言いたいことをくみ取ってくれるようになる。
すなわち、彼に関心を持ってくれるわけです。
お互いに関心を持つということほど、嬉しいことはないと思います。
異文化にあって、もっとも大切なものは、自分を動かす積極性です。
その積極性は、相手に受け入れられているという安心感と自信のなかから、
向上していくと私は思います。
幸いにも青年は、自然と親しむことも苦にしません。
ロッククライミング、マウンテンバイキング、マウンテンウォーキングなど、
自然のなかで数日間過ごすことも、結局は参加者とより親しくなれるという
理由で、積極的に行っています。
食べるものも、シャワーもありません。時には、雨に降られて、
泥んこになることもあるでしょう。
それゆえに、参加者がまとまったり、団結してなさなければならない
場合も十分に考えられます。
言葉や習慣が違っても、それを自然に受けいれられる素直なところが、
青年のいいところでもあります。
彼が苦手としているのは、大人や権威から自分の納得のいかないことを、
命令されるかあるいは、強制されるかですが、
スポーツや自然の中では、目的がはっきりしているが故に、
そのようなトラブルも少ないように思えます。
今回の青年のホストチェンジは渡航して二カ月以内という早い時期に
起こったので、学校の担当者も、青年の「我慢」や「受け入れること」に
対して不振の念を抱いたようですが、私はこの短期間での彼の
スポーツや自然に対する彼の適応性を鑑みて、彼をサポートする気に
いささかの揺るぎもありません。
つづく