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高校生の留学体験 - 国を超えて人とつきあう(定村来人さん)

来人(こと)さんの留学先、イギリスのBurton on Trentの公立高校で、彼女は、日本の学校授業エピソードをセンセーショナルに紹介します。「日本の学校で退屈な授業のとき、皆が次々と伏して寝てしまうので、段々と視野が開けて黒板が見やすくなった。この学校では寝る人が一人もいないから驚いた。」
まさに、驚いたのはそれを聞いていた地元の生徒たちでしょう。この話を聞いて、イギリスの高校生たちは、「大爆笑」したそうです。あり得ないことを聞いたとき、「冗談でしょう」といった気持ちで人は驚きを笑いに変えるのかもしれません。
日本の学校では、居眠りは大方許されます。特に、高校三年生になって、受験に向けて生徒が忙しくなる時、授業を聞かずにほかのことをやる「内職」と、受験に関係ない授業の時は、少しでも寝て、受験勉強に備えるということが日本の高校では当たり前のように思われていないでしょうか。
私の知る限り、アメリカ・カナダのボーディングスクール、ニュージーランド・オーストラリアの公立、私立学校、ヨーロッパのボーディングスクールでは、授業中の居眠りはありえません。もし、そのような生徒がいれば、先生は必ず、「どうしたのか、気分が悪いのか」などとその生徒に聞くでしょう。昨日、夜中の3時まで勉強していたとか、明日の試験のために今日の昼に寝だめをしておくなどという説明はありえません。ボーディングスクールで居眠りを三回すれば、先生により厳重注意が行われ、それでも改善されなければ、生徒部長(Dean of Students)よりの警告があり、さらに居眠りがあれば、退学となるでしょう。
来人さんは、留学で得られるものを「異文化を認識するセンス」といっています。彼女は異文化のなかで学ぶわけですが、現場では、「異」なるものは、彼女なわけです。その異の客観的認識とその対応における思考形態が重要ということを彼女は留学で体験するわけです。
彼女の滞在先、ホストファミリーのお父さんは、失業中の状況から、バスドライバーとなったそうです。裕福とはいえないファミリーだそうですが、明るい家庭であり、いろいろな人が訪れてきたそうです。ホストファーザーは「ドイツ人、フランス人は好きじゃない。でも、日本人は好きだよ」といったそうです。彼のいう日本人とは、来人さんのことであることは、本人の認識どおり、間違えのないこと私も思います。
国や社会は、そこに生活する人々によって成り立っています。私たちは生活便宜上、国を作り、社会で暮らすさまざまなルールを定めていますが、その基礎となるのは、一つひとつの家庭です。来人さんは、高校生として立派な「日本大使」としての役割を彼女のホストファミリーや学校に対して果たしたと思います。
(*注:定村来人さんの手記は成功する留学、小・中・高生の留学2001-2002、117ページに掲載されています。)

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