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高校生の留学体験 - 自由と責任(金子由紀子さん)

留学を目指す日本の高校生にとって、自由と責任の概念をいかに早く体得し留学先での現実に適応させるかは、限られた時間を有効に使うために極めて重要なことです。
金子由紀子さんのアメリカ公立高校留学の印象は、「授業は朝早く始まり、遅刻は許されない」という書き出しで始まっています。「週三回の遅刻で学校が休みの土曜日に補習を受けなければならない。休憩時間は重たい教科書を持って広い校舎のなかを移動するだけ。(中略)宿題をやってこない生徒や、授業態度が悪い生徒に対して、先生はこの罰なる補習を与えていく。」
由紀子さんは、この現実に対して、「何が自由の国だ。日本のほうがよっぽど自由じゃないか」と思ったそうです。
宿題をこなすのに毎日五時間以上かけ、一人で勉強ばかりしていては、友だちはできません。残りの時間の過ごし方を彼女は真剣に考えるようになります。
日本の学校生活や、生活文化の違いを、彼女は貪欲に吸収していきます。相手が多数いても挨拶は、一人ひとりと行うこと、相手の名前を難しくても覚えること、(おそらく理数系だと思いますが)試験で百点を取るような努力をすること、ミュージカルへの積極参加、得意な絵画も真剣に取り組むこと。そして、ミュージカルではオーディションに合格し、舞台に立つことができ、絵画も廊下に張り出され、皆に声をかけられ、誉められます。由紀子さんは「この国では、人より秀でたものがあったとき、それが直に認められる」ということに気付きます。
人よりも秀でていることとは、ひとことでいえば個性とも表現できるでしょう。由紀子さんは日本の高校に在籍していましたが、あえてアメリカで「秀でていることへの素直な賞賛」を発見するということは、日本ではそのことを、認識できていなかったということになると私は思うのです。
個性尊重というのは、日本においては、理念としては盛んに使われるが、その実態はないに等しいのではないかと私は思います。
由紀子さんにとって、最初は「監獄」のようだった現地の学校が、友だちが増え、学校規則や勉強のやり方を学んでいくことで普通に受入れられるところに変わっていきます。彼女は「自由」の解釈を勝手気ままな自由から責任を伴う自由へと変えていきます。異文化のなかに飛び込み、与えられた状況を受入れた故の潔い結論を彼女は導きだすことができたのでしょう。
一年間の交換留学で由紀子さん本人は、自分がどう変わったか具体的には説明が難しいそうです。それでいいと思います。少なくとも、彼女は自由の責任について、立派な認識をするに至ったのですから。
(*注:金子由紀子さんの手記は成功する留学、小・中・高生の留学2001-2002、112ページに掲載されています。)

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