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日米教育文化比較 教育の基本方針の違い その3

個人対集団が明確なコントラストを作る日米の文化特性を、十代の子どもたちへの教育という視点から考えています。
今回は、日本の「和をもって尊しとなす」という、素晴らしい考え方のメリット、デメリットについて、考えてみたいと思います。まず、なぜ和が必要かということですが、そのニーズはおおよそある目的を達成するということに集中されると思います。現代日本の目的達成でよく引き合いに出されるのが、東京オリンピックです。この時の日本人の集中力、目的達成力、調和力は積極的、合理的にしてとても美しいと思います。
戦後の混沌、どん底、忍耐、苦労を強いられる環境から、国力が急速に回復したのは、日本人の特性である勤勉さ、粘り強さ、団結力が自然に調和した結果であると思います。その一つの成長の区切りを、オリンピックというイベントがとても象徴的に表していると思います。
余談ですが、今を生きる人たちにも、私たちの特性としての勤勉さ、粘り強さ、そして一途なところなどのDNAは明確に残っていると思います。映画、「三丁目の夕日」シリーズ三作が好評であるのと、一作目が日本の映画賞を総なめにしたことに、戦後の日本人精神へのノスタルジーを現代人が世代を超えて共感したことがうかがわれます。
日本の社会を包括する概念が調和、協調の精神を重んじることであるから、教育もそれを目指して行われます。教育理念の優先順位として、個性の尊重、自己の特性の伸長などは、後になります。そして、調和、協調が常に意識された学校づくり、クラス構成、人員配置等が導かれる結果、個性尊重が題目化してしまいます。個性や特性といった個人の教育素材は「各自で考える」ということでおさまってしまうようです。
調和、協調がもたらした合理的組織運営は、終身雇用、年功序列といった日本社会の特性を形作ったと私は思いますが、情報革命により、市場が世界に拡大された結果、より安い所で生産し、最も高く売れるところに持って行って売ることが可能になりました。その結果として、先進国といわれる国では、ものを作るコストが高くつくので、ものを生産しなくなりつつあります。結果的に、情報革命以前の仕事のあり方も変えざるを得ないわけです。
その社会の変化を柔軟かつタイムリーに受け止めて、子どもたちの教育も変化は必然であると思いますが、現実的には、情報革命以前よりもより強固に、より偏差値の高い大学に入学することのみに、子どもの教育が特化されているように思えてなりません。入口から出口までの一貫教育が人気なのは、そもそも、受験戦争という理不尽な苦労を、子どもにさせたくないと考える親が多いからにほかなりません。
しかし、世界規模で進歩していく経済とはうらはらに、その基礎を作る日本の教育は、内向きに、チャレンジリスクを否定する方向に向いているように私には思えるのです。

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