留学コンシェルジュ

外から見てほしい私たちの国

1980年初頭、立花隆さんが「宇宙からの帰還」という本を書きました。
立花さんは、地球を初めて「外」から見た人たち、宇宙飛行士に
インタビューをし、彼らの思いやメッセージを綴ってゆきます。
暗黒の宇宙にあって、いかに地球が美しい星かということ、
その美しい地球が外から見るとたいへんもろくもあり、
そこを住みかとしている人間は、かけがえのない地球を
どうしたら守り、存続してゆけるかといこと、
また、秒速数十キロで飛ぶ宇宙船外に出て、
人が個人だけではいかに無力かということなど、
宇宙に出た先駆者たちは、みな一応に私たちの故郷としての
地球のありがたさをしみじみと感じていることが、
私にはとても印象的でした。
彼ら宇宙飛行士に共通していることとして、
立花さんは、宇宙に出て無神論者になった者は
一人もいないという、コメントを残しました。
ビジネス、政治、宗教など、宇宙飛行士のその後は
多岐にわたる人生の道を選択してゆきますが、
彼らに共通しているのは、「人類が互いに争いをやめて、
共存の道を探そう」ということであると思います。
私は10代の子どもたちが日本を離れ、異文化のなかでふるさとを
思い、考え、そして人に伝えるのを助ける仕事をしています。
日本から外に向かう子どもたちにとって異文化は、
宇宙にも等しい感覚の世界ではないだろうかと思いました。
彼らが、真夜中に異国の星空を眺めるとき、限りなく孤独で寂しい
気持ちに圧倒されるかもしれません。
言葉がわからず、意志疎通を欠く時、先生から叱られても、
内容がわからない時など、「ここは地球か」などと思うかもしれません。
そして、彼らは今までの自分の世界と違う「外」の世界に
徐々にですが、自分を適応させるように努力をしていきます。
宇宙という究極の環境でなくても、文化や生活の習慣が違うだけで、
日本という異邦から来た子どもたちにとっては、それに匹敵する
ような究極の状況が生まれるかもしれません。
そのような時、彼らのこころのなかには、
自分の生まれ育った、故郷のなにかが必ず映るはずです。
それが、田園風景でなくても、海、山、川などの自然に囲まれた
ものでなくても、必ず一人ひとりのこころのなかに、
「ふるさと」という原型はあるはずです。家族があるはずです。
それは、外に出て初めてわかる新たな世界であると思います。
そして、彼らは自分の世界のかかわりのなかから、
自分がどうしたいのかという人生のかたちを、少しづつ作ってゆきます。
たどり着くところは、30年以上前の宇宙飛行士の人たちと大差のない
地球人という概念であってほしいと私はこころから思っています。
現代の若者が内向きであってもなくても、必ず彼らのこころには、
彼ら自身のふるさとはあります。
それに気づくことの手伝い、応援を私は続けていきたいと思います。

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