ニュージーランド留学の特徴-科目選択の自由度
ニュージーランドの高校3年間の科目選択は、一部の必須科目を除いて、自分で選択をします。決められていることは、国語系(英語:literacy)単位と数学系(numeral)単位を毎年80単位以上取得することです。
日本やアメリカでの単位と違い、ニュージーランドの高校における単位は、それぞれの学年において達成すべき目標に対して細かく与えられるものです。たとえば高校一年生の国語クラスであれば、読むべき小説範囲のなかから、自分で選択して6篇を選び出し、それに対して決められた字数以上で感想文を書き、それを先生が評価して4単位を取得するといった具合です。
日本やアメリカと違って、国語、数学、理科、社会、外国語というそれぞれの分野での必須科目が、ニュージーランドでは義務づけられていません。大学で経済や経営などを専攻すると決めた生徒は、その基礎となるような科目を、literacyとnumeralのバランスを考えたうえで、高校三年間で取得していきます。その他、法律、自然環境、農業、IT関連、ホスピタリティー、観光など、自分の進路を決めて、高校時代からそれに特化した準備を始めることがニュージーランドの教育制度では可能です。
人口が400万人程度、大学は全て公立で8校、職業訓練、技術習得、資格取得などが中心となるポリテックと呼ばれる大学の下位に属する高等教育機関は100を超える数があると言われますが、現在でも酪農、食肉、羊毛などの産業が国を支えるニュージーランドでは、大学をはじめとする高等教育機関の役割は、当然のことながら日本のそれとは違ってきます。
それに呼応する後期中等教育も合理的、実用性を重視するために、母国イギリスのAレベル方式の教育を踏襲しながらも、ニュージーランドの現実に合うように変化して、今日に至っていると思います。
ニュージーランドで大学進学するための要素は、高校3年間の単位取得内容によります。志願する大学の学科に合わせて、どれほどの成績(3段階評価)でどれだけの単位を取得したかで決まります。そもそも「何をしたいのか」ということが重要なニュージーランドの教育制度においては、大学がブランド化してはいません。「オークランド大学」を卒業したから、就職に有利という考え方がニュージーランドにはありません。卒業した大学名ではなく、あくまでも、大学で何を学び、何を知っていて、それがどれほどに仕事に役立つかということが問われます。
このような教育文化を持つ国で、高校時代を過ごすことによって、日本とは違った「生き方」を学ぶ良い機会になると思います。