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ペアレンツウィークエンド

英語圏のボーディングスクール文化を代表するイベントの一つがこのペアレンツウィークエンドに凝縮されていると思います。日本の忍耐、忍従、集団的思考など個性や特性を伸ばすのには障害となるような概念の反対を実行しているのがこのイベントではないだろうかと私は考えています。
9月に新たな学校生活が始まってから1か月あまり、10月中旬から下旬にかけてこのイベントは行われます。母国の生徒であったとしても寮生活という未知の体験で戸惑うなかで、果たして日本の学校であれば、あえてそのような時期に親を呼び、スポーツ、芸術などのイベントを用意し、親と先生との個別面談を手配するなどおこなうでしょうか。この時期を耐えることが主体性の確立の第一歩であり、自立という頼もしい社会性に近づくためにも、この時期に親を呼ぶなどもってのほかとなりそうです。
アメリカボーディングスクールの文化は寂しさ、辛さに対する耐性がゆるく、個人の独立性が高いと思います。また、明るい方向に思考が向いているようです。寂しいから、親を呼んで生徒たちを励ます。辛いことを、じっくりと親が聞く場を用意する。そして、親用のエンターテイメントで盛り上がるだけでなく、週末を1-2日延長して、親とゆっくり過ごすことを可とする。親子といえども、子どもの「選択」に対して、親は惜しみない協力と応援をする。ウィークエンドが終われば、子どもたちはまた寮生活に戻ります。前日までの楽しい時間と明確に決別するけじめが親子ともに必要となります。それが抵抗なくあたりまえに行えるのが彼らの文化といえるでしょう。
ペアレンツウィークエンドの案内は通常9月中旬、電子メール、郵送ないしは学校ホームページのイベントやカレンダーの項目で通知されます。木曜日、金曜日が親と先生の個別面談にあてられ、その予約は前もって(郵送、ネット上などで)行います。親の宿泊場所の案内もlodging, accommodationなど、学校ホームページ上にその掲載があります。空港への出迎えは行われませんから、その必要がある場合は学校に送迎サービス会社を紹介してもらうとよいと思います。
この期間中、親は学校で食事をすることになります。また、行事が始まる前日の夜はウェルカムディナーなどが用意されます。そして、参加した親同士が交流できるような場も作られます。
ペアレンツウィークエンドの土曜日はスポーツイベント、演劇などノンアカデミックイベントが中心となります。スポーツ、演劇などに参加しない生徒は土曜日からの親との外出が一般的には可能となります。
寮担当、教科担当の先生方とのミーティング、学校での食事、そしてイベント見学など、ペアレンツウィークエンドは親にとって、わが子のボーディングスクールでの生活を知るためのとても良い機会となります。また、わが子がどんな人たちによって指導されているか、彼らはどのようにして子どもたちを成長させるのか、授業はどのようにして行われるのか、特に留学生の親にとっては、すべてが未知の体験といえます。
留学初年度は、ボーディングスクールの文化に従い、子どもの現実をより良くしるためにこのイベントへの参加を私は保護者の皆さんに勧めています。

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