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留学して2年 - 現実的英語力

留年という極めて不満足な状況を回避するための方法が前日のブログでしたが、
そのような結果を招いてしまう留学生が多いわけではありません。
留学2年目というのは精神面、異文化適応面では安定期に入ります。
安定期から学力伸張期に最も必要なのが総合的な英語理解力です。
日本の中学生、高校生らが学校で何を読み、何を書いているかを
考えてみると、意外とその量が多いわけではないことに気づきませんか。
試験対応ということだけなら、国語の長文といっても
1000字程度ではないでしょうか。
作文につても、2000字を超えるようなものを書かされることは、
学校においてはそれほど多くはないと思います。
すべては受験対策に集中特化されているからなのかもしれません。
母国語においてさえも、読むこと、書くことに慣れていないなかで、
留学生たちはいきなり英語で本を読むことになります。
研究課題(プロジェクトといいます)について、リサーチ、構成、
そして文章作成までを好むと好まざるとにかかわらず取り組まなければなりません。
このような英語圏での実践国語力というのは、
日本で文法問題(例外的知識が珍重される)を解き、
長文読解(500字程度でなぜ長文?)に取り組む程度では、
試験のおいての傾向と対策は立てられても、
留学に必要な英語力の傾向と対策には不十分といわざるを得ません。
では留学に必要な十分な英語力とは何でしょうか。
その基礎は読む力と書く力にあります。
話す力、聞く力ではないのです。留学の初期には
ダイレクトコミュニケーションのツールとして英語で話す、聞くことが
求められますが、その習得に特別な方法もシステムも、
必要ないのが留学の現実です。
読む力と書く力を伸ばすために、留学生たちは「机に向かう」という作業が
とても重要です。
「当たり前のことがなぜ重要ですか」というご意見への私の返事は、
当たり前のことができないのが、私の見てきた留学生の現実だからです。
その点で、ボーディングスクールというのは、
子どものほんとうの現実を大変よく理解していると言えると思います。
Structured(うまく構成されている)ということばに象徴される、
ボーディングスクールの日々の生活は、机に向かう、(学習に)取り組む、集中する、
興味を持つ、追求する、結果を出すという流れを作れるように配慮されています。
ボーディングスクールはこの流れを絶やさないために、15人以下のクラス、
スポーツ、芸術の充実した施設、社会活動プログラムの充実など、
子ども本位に現場の先生もスタッフも考えているところが、私はとても好きです。
机に向かう習慣が定着したときに、留学生たちは自分の英語力のなさに
気づきます。そして、嘆きます。その嘆きをカバーするために、
読む力と書く力を伸ばす工夫をしなければなりません。
できれば、2年目になる前の夏休み、あるいは2年目に突入した年の冬休み、
そして3週間続く春休みを活用して、英語という言語の構造を
徹底的に理解することが、唯一英語力を劇的に伸ばす手がかりとなります。

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