ボーディングスクールの教育－好きなことから使命感に
ボーディングスクールのインタビューで必ず質問されるのが好きなことです。
「好き」の内容は多岐にわたり、決して好きな科目だけではありません。
好きなスポーツ、好きな音楽、好きな活動など、寮生活が始まって、
親元から離れても、好きなことに熱中することで、
生徒たちをホームシックから解放させるために、好きなことを知る
アドミッションスタッフの意図もあると思いますが、
好きなことを追求させることにボーディングスクールは熱心です。
好むと好まざるとにかかわらず、やるべきことをこなし、
覚えるべきことを覚え、その習熟度を定期的にテストするという
日常はボーディングスクールにはないと言えます。
単調な学習を徹底して続けていくことの忍耐を鍛えるという考えも
おそらくボーディングスクールにはありません。
もちろん、ボーディングスクールは中等教育機関ですから、
英語、数学、理科、社会、外国語というそれぞれの分野で達成しなければ
ならない教育課題はあります。しかし、その課題へのアプローチの方法が
好きなことを中心に回転させるところが、ボーディングスクールが
現代においても世界から注目される大きな要素となっています。
好きなことに時間を割けば、必ず生徒たちの能力は開花すると
ボーディングスクールの先生たちは信じて疑いません。
その理由は、先生自身がボーディングスクールの出身者であることが
多く、自らの経験がそれを語っているからです。
もちろん、先生の中にはボーディングスクール出身者でない人もいますが、
決して楽な仕事でないボーディングスクールの先生は、教育理念が
合わなければさっさと仕事を辞めてしまいます。
そのようにして、淘汰されていき、結局残った先生は
自らの好きなことを追求した結果、ボーディングスクールで教えることに
落ち着いている人が多いのです。
彼らにとって、教えることは好きなことが高じた結果です。
それを使命感として捉えているがゆえに、多くの先生は、明るく、
屈託がなく、親切で、優しい人たちなのです。
彼らに教えられる生徒も、好きなことを追求するとこで、
好きではなくても、やるべきことにも向かっていけるのではないでしょうか。
好きなことをして、結果を出し、それをほめられれば、
やがて「それで生きていこう」という使命感を
生徒たちも持つことができると私は確信します。
