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KOの留学物語-父は東大、ぼくはニュージーランドその2

(その1:2月19日掲載)
軍隊のような学校、ぼくの言いたいことは、目的と手段のことだ。
軍隊というといかにも大げさになってしまうし、ぼくは軍隊というところを本当は知らない。でもたとえば、家に泥棒が入ってそれに気づいた家族の誰が泥棒と戦うかということだ。いつか読書好きの友達から聞いたのだが、小林秀雄という人は、寝床から泥棒をカッと開いた目で泥棒をにらみつけてすくませたそうだ。ぼくにはそんなことはできない。父にも無理だと思う。でもぼくも父も泥棒と戦うだろう。家族を守るのは当たり前のことだから。
家族が国であったらどうだろう。国を守る、その手段として力がある。その力を生かすためには徹底した規律とか統制が必要なのだと思う。間違ったり、のろのろしていたら叱られたり、罰を受けたりするのはあたりまえだと思う。だって、一人の間違えや変な行動で多くの人が犠牲になってしまうことだってあると思うから。
ぼくは日本の高校の入学式で校長の態度が「軍隊的」だと言ったけど、ミスをしたら怒られる、罰せられるという意味での「厳しさ」が軍隊的なだけなんです。でも学校ってそれでいいのだろうか。
ぼくは普通の子どもと比べると「学校体験」ははるかに多い。そのほとんどが外国の学校だった。ぼくの行った学校で軍隊的な学校はひとつもなかった。人間関係では苦労したけど、良い人たちもたくさんいたし、「いじめ」の経験もない。海外の子たちは、ぼくのこと特別扱いしないかわりに、ぼくからすすんで意見を言わなければ、それですべてが終わりだった。初めは意見が言えずとてもつらかった。でも、言えばみんなが聞いてくれたし、言葉が足りない分、補ってもくれた。自分が認められることがうれしく、ほめられると今までの何倍も努力できた。
ぼくには、自分の入学した日本の私立高校の目的と手段がはっきりとしなかったのです。学校はその目的として世界に通用する人間を育てるとか、国際化社会に対応する知性と行動力などと言う。それは生徒ひとり一人が自分でつかみ取るものだとぼくは思う。クラスで教えられるものではないと思う。実際、言葉が通じないなかで、どうした良いかを自分なりに考えて、ぼくはやってきたから。
僕は校長先生に尋ねたい。
先生、教育って何ですか。
先生はなぜ居眠りしている生徒をみんなの前で叱りつけたのですか。
教育ってその人を伸ばすことじゃないですか。
先生は、一度も人前で居眠りしたことがないですか。
生徒が居眠りしてたら、なぜ居眠りしたのかを考え、
愛の手を差し伸べることも教育ではないですか。
先生、教育って何ですか。
ぼくは、先生に認められたいと思います。
テストの点だけでなく、ぼくそのものを。
先生、テストの点数がわるいと、人間としてもダメですか。
ぼくはほめてもらいたいです。
うそでもいいから、ほめてもらいです。
つづく

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