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#4 ボーディングスクール入試-コンサルタントの役割

アメリカボーディングスクール入試におけるコンサルタントの役割は、総合的なパイロット役と述べましたが、パイロットとは水先案内人のことです。その案内で忘れてはならないのが、日本とアメリカの教育文化の違いです。その根底にあるのは、教育に反映されている両国の国民性といったものですが、近年、高等教育が大きく一般に開放されて、いよいよその傾向は明確になったように思います。
日本は、平等、公平の精神をとても重んじ、受験者に同じ条件を与えることに徹しています。提出物、提出期限は厳密に守られ、例外はほぼ認められません。アメリカでは、アドミッション担当者の裁量で提出物や提出期限にあるていどの余裕や斟酌がされる場合も珍しくありません。
アメリカでは、志願者の学力のみではなく、体育、芸術、音楽、社会的な特性を尊重し、総合的な評価をするように心がけています。全人教育(whole person)は、彼らの目指すところですが、そのためにボーディングスクールにおいては、インタビューが合否のなかで大きな要素を占めることが日本の受験との差異を明確にしています。
日本での面接というと、志願者一人に対して複数の面接官という設定が思い浮かびます。また、面接官の質問や要求に対して志願者が答えるというのが面接の概念のように思いますが、ボーディングスクールのインタビューは、1対1が鉄則になっています。面接官の質問の内容も担当者独自の工夫が見られ、その目指すところは、志願者の知識を問うというよりも「どのような人間か」、「その個性、特性は何か」について30分から40分くらいの短時間でなるべく知りたい工夫が来られているように思います。
受験から合格までの期間も日本とアメリカでは大きく異なります。ボーディングスクールでは1月末で出願が締め切られて、合格発表は3月10日が標準になっています。40日の間に、アドミッションオフィスでは、合否決定の会議が開かれて合議制で結論が出されます。
留学生に関しての合否決定は、出願を担当するアドミッションスタッフによって出願者のプロファイルが紹介され、会議の参加者によって合否が討議されます。会議参加者の投票による決議というよりも、担当者の思い入れが合否を大きく左右するように思います。
なるべく公平にという精神に則り、出願者の評価要素を素点化するようなことはボーディングスクールではおそらくないと思います。
ボーディングスクールの入試は、ITが発達した現代でも、最後は人が決めるということが徹底されています。これからも、IT化とグローバル化でどれだけ社会やシステムが合理化されても、ボーディングスクールの手作りの教育精神は変わらないと思います。

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