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日本と英語圏教育の違い:こころの教育1

これからの教育を考えるとき、私はもっとも重要なのが、
こころの教育であると思っています。
無限の広さと深さを持つこころの教育を英語圏と日本ではどのように考え、
どのように実践しているのか、考えてみたいと思います。
私のいうところのこころの教育とは「基礎教育」のことです。
基礎教育とは、子どもたちが本来持っている生きる力と
親を基本とする社会から教えられた価値観といえます。
たとえば、躾、道徳心、作法などが基礎教育の一部です。
それらを形づくる基礎概念として、感謝の心、
人を受け入れる心、共感する心などがあげられます。
あるお母さんがわが子の小学校受験について教えてくれました。
「洋服がたためるか」、「食べ物の好き嫌いがあるか」、好奇心があるか
どうかを尋ねる質問などがあったそうです。
これらの質問は基礎教育を問うものと思います。
基礎教育はお母さんを中心として、それぞれの家族が育むものです。
受け手の学校は、幼い子を受け入れて、長年にわたり面倒見るのに、
問題ないかどうかを確認しているわけです。
日本では、その基礎教育すらも、受験のため、マニュアル化されるという
傾向があると思います。
英語圏では小学校から大学まですべてがAO入試です。
当然、面接が重要な役割を果たしますが、合格のためのマニュアル化には
それほど熱心さがありません。
いわんや、基礎教育となれば、「自分の子どもの教育は自分でする」と
はっきりした姿勢を示すに違いありません。
日本の教育の現状を考え、すこし悲しくなるのは、
基礎教育をマニュアル化することに疑問を持てないほど、「受験に合格」
することの価値観が肥大化してしまっています。
「これができないと有名私立校に合格できません」といわれると
お母さんは迷います。この迷いはなぜ生じるのでしょうか。
お母さんの愛は彼女らが生きる時代とその状況で激しく変動します。
たとえば、戦前の日本における価値観は、富国強兵であり、そのためにわが子を
「お国のために犠牲にする」という価値観を認めざるを得ませんでした。
この価値観のために多くのお母さんが身を切るようなつらい思いをしました。
敗戦後、どん底からの復活をかけ、富国強兵の代わりに、
経済復興が価値観となり、お母さんたちはそのために自分を
犠牲にしてわが子を育てました。
彼女らの努力が実り、日本は高度成長を果たしました。
滅私奉公的精神が日本の経済発展にどれほど寄与したことでしょう。
また、会社や団体などの組織側も終身雇用、年功序列といった
「日本式」のやり方でそれぞれの人の努力に答えてゆきました。
英語圏には日本のような敗戦体験を持つ国はなく、
国が経済的、精神的どん底になったということもない。
日本が受けなければならなかった試練は極めて特殊であったと思います。
つづく

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