教育の未来予測
英語圏の教育と31年あまりかかわってきて、
私はしみじみ日本の文化を素晴らしいと誇りに思っています。
食べ物、清潔感、親切心、丁寧さなど、いわゆるホスピタリティー
(おもてなし文化)に関して迷うことなく私は今までに訪れた、
アジアの国々や英語圏諸国と比べて日本をダントツ1位とします。
日本人はクリスチャンでなくても、イスラム教者でなくても、
勤勉であり、律儀であり、誠実であることを大切に
して生きている人がたくさんいます。
世界に誇れる文化を持つ日本ですが、その教育システムは世界から
それほど注目されていないように思います。
世界大学ランキングのなかで日本の大学郡が主要な
地位を占めることはありません。
ものを作り出したり、よいアイディアを具体的にすることの、
ポテンシャルの高い日本に住む人々が大切な教育という分野で、
世界に引き離される現状を楽天的に放置するとは思えません。
私は将来日本の教育が世界基準を目指して、
どんどん変革されると信じています。
その鍵を握っているのが、
個別化、多様化であると思います。
その根拠を私はアメリカやイギリスのボーディングスクールに感じるのです。
生徒それぞれの個別・多様なニーズを大切にし、彼らが納得するように答える。
それができる環境をボーディングスクールは持っていると思います。
ボーディングスクールは教師対生徒の比率(1:12平均)を極限まで低く抑え、
勉強以外のスポーツ、芸術、社会(ボランティア)活動を日々の生活のなかに
組み込み、教える人、生徒募集をする人、運営する人を徹底して分業化しています。
個別化、多様化する子供たちの能力を開発するのであれば、
日本の教育の根幹を変えるような必要はないと思います。
すでに、多くの塾がそのニーズにしっかりと答えているからです。
ボーディングスクールから日本が学び取れる概念とは、
生徒の「個別、多様」な人格を「学校」がどう考え、
それを伸ばすため(自立のため)に何を具体的に
どうしているかということだと私は思っています。