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日本と英語圏の「受験」という概念の違い

几帳面で律儀さを重んじる日本の文化は公平さを求めて
受験システムを作り上げていると私は思います。
テストの結果と内申点を数値化しその結果で合否を判定する
というやり方は「数字」が基本となるがゆえに公平ではあります。
では英語圏の受験はどうなっているかと言いますと、
アメリカのアイビーリーグの合否判断は日本式に言えば、
公平とはいえないと思います。
元祖センター試験とも言われている、アメリカの大学入学のための
学力テストSAT(数学、英語、英語作文)は満点が2400点ですが、
アイビーリーグへの合否はSATだけでは絶対に決まりません。
その理由は志願者のほとんどがほぼ満点に近い点数を取ってしまうため、
数点で合否を決めることに意味がないことを大学側が
経験上知っているのだと思います。
加えて、ほとんどの志願者成績(絶対評価)がみなストレートA(オール5)
に近く、一つや二つのBあるいはCがあっても、
それで合否を判定することは出来ないと学校側が思っているわけです。
10点前後の差であれば、それぞれの考え方や個性を見ようと彼らは考えます。
いかにもアメリカらしい方法をある生徒さんの
お母さんが教えてくれたので、ご紹介します。
彼がエール大学の建築学部に願書を出すと大学から一通の手紙が来ました。
その手紙にはニューヨークで建築事務所をいとなむ某氏との面接要領がかかれていました。
某氏は若き志願者に自分のエールでの体験と、実社会での体験を
いろいろと語ったそうです。それでも君はエールで学びたいか
それに答えて若き志願者は自分の夢や希望を語ったそうです。
彼はエール大学に合格しました。
私は教育コンサルタントですが、中等教育分野では
少しはボーディングスクールに信用されているようで、
アドミッション(入学審査)オフィスの人たちから、
志願者に対する個人的な意見を求められます。
そのときに私が強調するのは、成績や学力テスト(TOEFL、SLEPなど)
の結果では決してありません。
それで判断される場合は、私に意見など聞く必要はないことを、
アドミッションの人間は知っています。
すなわち、アドミッションの人間は彼らを入学させたいから、
その根拠を求めて私に意見を聞くのだと思います。
親や生徒に代わって私が一番真剣になり、集中し、学校に家族や本人の
「文化」を説くわけです。
辛いのは、私も律儀で几帳面な一面を持つ日本人でありますから、
複数校に合格した場合のお断りレターを書くときです。

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