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#3 寄付について-ボーディングスクール

<前日のブログに続きます>
Suffield Academyから送られた2016-2017寄付報告書をもとに書いているブログ、3日目です。
52ページ、大学ノートほどの大きさのこの冊子ですが、現役生徒の親からの寄付のページには370人余りがリストされています。この学校の総生徒数は413名ですから9割ほどの家族が寄付を行っていることになります。この数字には驚きました。フォーマーペアレンツ、すなわち卒業生の親については90名ほどのリスティングです。
Suffield AcademyはTABS加盟校300校あまりのボーディングスクールの中では平均よりも少し大きな規模の学校ですが、おそらく他のボーディングスクールにおいても寄付の実態はこの学校と類似していると思います。
在校生の親の9割が寄付をするということを、ある留学生のお父さんにお伝えしたところ、日本の私立学校が寄付を募る時は、「一口いくらで最低何口」ということが記載されていると教えてくれました。そうである以上、当然、寄付金が何のために行われ、必要な金額も明記されると思います。ボーディングスクールのそれと比較すると、それは寄付とは言えないのではないかと思います。
ボーディングスクールの寄付は、いかなる意味においても強制はありません。あくまでも任意です。その任意こそに大きな意味があると思います。9割に人が寄付をしますが、それはあくまでも任意であり、リストに載ることを目的に寄付をする人はいないと思います。もちろん、寄付によって、学校側の生徒に対する対応が変わるということもありません。
ボーディングスクールの寄付の実際を知れば知るほど、私はアメリカと言う国がクリスチャン立国であることを再確認します。
留学の仕事をしている人であれば、あるいは英語圏へ留学したことがある人であれば、教会という異文化を体験します。教会に集まった人たちは、壇上のゲストや神父(カソリック教会)、牧師(プロテスタント教会)さんから人のあるべき姿の話を聞きます。そしてお祈りが前後してあり、時には音楽やその他のイベントもありますが、最後に鍋が回ってきて、そこにみなお金を入れます。日本の神道や仏教にはこのような慣習はないと思います。
東海岸地方では、いくら小さな町でも立派な教会があります。誰のものでもない、その町に住んでいる敬虔なクリスチャンの人たちの象徴であり、かれらのいきるよりどころでもある教会は、威風堂々としています。
日本よりも歴史的にはとても若いアメリカですが、とても背が高く荘厳で町のランドマーク的存在の教会の数は、日本の寺院にある五重塔の数よりもはるかに多いのではないかと思います。
クリスチャンの文化としての寄付、ボーディングスクールにもその文化がしっかりと根付いていることをSuffield Academyの寄付報告書から学習しました。

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