冬休みの英語学習
冬休み、留学生はすべて帰国します。
現地に居残る日本からの生徒はほぼいません。
南半球で学ぶ生徒には、今は夏休みです。
日本のそれよりも長い2か月間の休みをどのように過ごすかは、
留学の次年度を良い方向に向けるためにもとても重要です。
あるニュージーランドで学んでいる生徒から、
この休み期間の英語学習についてどんな本が有効かという質問を受けました。
その生徒は中学校を卒業する1か月ほど前に、
ニュージーランドの新学期開始に合わせて留学しました。
日本での英語の勉強はほぼ学校の授業のみだったようで、
その基礎知識も確実ではありませんでした。
確実だったのは、日本での学習実績よりもむしろ、
本人の異文化でのサバイバル能力でした。
実用英語はほぼゼロの状態で留学したのですが、
英語による日常のコミュニケーションは、困ることはなくなりました。
もちろん、授業について行けずに帰国などということは
親の杞憂に過ぎませんでした。
日本では学校の成績にも進学のための準備にも
ほぼ興味が持てない状態だったようですが、
留学した本人にとっては、新たな環境によってもたらされた、
英語に対する興味は誰に強要、強制されたものではありません。
というわけで、スカイプで英語学習をアドバイスすることになりました。
アドバイスその1は、問題集にあたれということでした。
次のアドバイスは解らないことをそのままにしないこと。
その生徒に勧めたのは、高校生のための英語文法問題集です。
4ミリ程度の厚さで、「2週間完成」という標題のある問題集です。
その中身は、現代の日本にありながら、半世紀も前の題材のある
とても古いものですが、英語の基礎固めなので問題ありません。
2ページの見開きで左が単元ごとの解説、右に問題が20-30題あるだけです。
留学生にとって、このぺらぺらな問題集から学ぶ英語の素材は
とても多いのです。
時制、関係詞、不定詞、分詞、態という文法要素について、
問題にあたる順番は私が指示しました。
そして、週に2回程度のスカイプコミュニケーションでは、
彼の質問について私が答えるといういわばボーディングスクール方式で
進めていきます。
とても効率よく進んでいます。
これに歓喜しているのは当の本人よりも、むしろお父さんです。
「親子共々、お世話になります」とメールをいただいたのですが、
私は、意欲のある生徒が望むことで、自分でできることをしている
だけですが、お父さんにとっては、留学前、留学後の本人の
意識の変化が驚異なのでしょう。
あと1か月ほどある休み期間、本人が次年度の留学に積極的に
取り組めるようにアドバイスを続けていきたいと思います。