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#6 教育の基本-アメリカを支えている精神

アメリカの東海岸地方の小都市を訪れる度にこの国の精神がキリスト教に基づいていることを感じます。規模の大小にかかわらず、それぞれの町を代表する建物は教会のように思います。それらは、石造りの荘厳な建物で、町で暮らす人たちのこころのよりどころになっているのでしょう。
東海岸の町に必ず教会があるのと同じように私が訪れるボーディングスクールにも必ずチャペルと呼ばれる建物があります。この建物は生徒たちの集会の場として使われますが、世界から集う生徒たちの宗派を問わず、神聖な場所、祈りを捧げる場所です。
若いころには、町の教会もボーディングスクールのチャペルもそれほど意識したことはなかったのですが、年を増し、コンサルティング経験を蓄積すればするほど、町や学校という小社会を支えている人の在り方の根拠としての教会はアメリカの精神のバックボーンとなっているのではないかという思いが強くなってきました。
寮生活を中心とした学校が日本にはそれほどなく、教育というと、教え込むやり方が当たり前であり、人の道とか、社会のルールを遵守するというような精神の在り方は専ら教育と切り離されて考えられがちですが、ボーディングスクールでは、基礎教育の必須事項として小さな社会としての学校のなかでの自分の義務と権利を教える仕組みが備わっているように思います。
それ故に、レガシーやファミリーヘリテッジといった表現でボーディングスクールは卒業生に大切にされるだけでなく、次の世代、そしてさらにその次の世代へと教育の伝統が引き継がれていくのではないかと思います。
彼らのその精神へのプライドは相当なものです。
例えば、私の知っているアドミッションスタッフは長年にわたって勤め上げた学校を定年退職するにあたり、自分の財産は学校に寄付をすると言うのです。子どもに引き継がせるのではなくです。
その人にとって、子どもたちはすでに社会に出て自立しているので、財産を引き継ぐ必要はないということなのでしょう。子どもたちも、自らが勤め上げたボーディングスクールで教育を受けたわけですから、その恩を結局返すというのが、彼の社会の在り方の原理になっているのかもしれません。。
ボーディングスクールの多様性(ダイバーシティ)の精神は、今、アメリカに起源を発して世界に拡大しようとしています。

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