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休日コラム-文化の日、剣道日本一を決める日

毎年、文化の日には日本武道館で剣道日本選手権大会が開かれます。
全国各県より勝ち上がってきた剣士たちが武道館で日本一をかけて
この日のトーナメント形式の試合に臨みます。
試合時間は5分、三本勝負(二本を先取したほうが勝ち)ですが、
4回戦、準決勝、決勝は倍の10分となります。
剣道は現在、最高段位八段ですが、この試合に出てくる選手たちは、
四段から六段くらいが主流です。
八段の剣士がこの大会で優勝したことはありません。
最高段位を取得するためには、四十六歳以上でなければ受審資格がなく、
その年になっても全日本選手権大会に出場する人はいません。
社会人になっても剣道の稽古を毎日欠かさずにできる立場にある人は、
一般の会社ではあまり考えられません。
プロの剣士は現代ではいませんが、特別な練習ができるのは、
全国の警察、そして学校の先生ということになると思います。
実際に歴代の優勝者はその警察が圧倒的多数を占めています。
平成になってから25年間、この大会の優勝者は警察官で占められています。
中学、高校と剣道の強い学校で徹底して鍛え、試合経験を積み、
大学時代に頭角を現し、実績が評価されて、警察に行くか教職につき、
警察であれば、特練員(剣道術科特別訓練員)として選抜され、
毎日、激しい稽古に明け暮れ、日本選手権大会出場を目指すというのが、
一般的な剣道エリートの道筋であるように思います。
このルートに大きな変化があるとすれば、大学生の台頭です。
試合経験や技術の習熟度では圧倒的に有利な警察剣道、
特練員剣士や教員剣士に競り勝ち、学生剣士が日本一になったことは、
記録によると過去2回あります。
2014年 大会で優勝した、剣道四段、竹ノ内佑也選手(21歳)と
1971年大会で優勝した剣道四段、川添哲夫選手(21歳)です。
全日本選手権に出場できる選手は、県ごとに選抜されるわけですが、
高校生でも取得できる三段の元気いっぱいの選手や
風格のある八段の選手などがこのトーナメントに出場するのも
タイバーシティーを重んじる現代においては、あり得る現実と思いたいです。
秋晴れに恵まれた文化の日、すでに武道館は全国から集まった剣士たちの
激剣が響き渡っていることでしょう。
64名のトーナメントですから、決勝ファイナルまで1日のうちに6回戦を
勝ち残らなければなりません。
テニスのトーナメントのようなシード選手はいないので、
組み合わせの運不運もあるでしょう。
過去の勝率や優勝経験など全く関係なしに試合が組まれるのが、
剣道日本一大会のユニークなところはないでしょうか。
さて、今年の剣士日本一、若手の台頭がなるかどうか、
それは日が暮れるころに決まります。
テレビでは、NHK、1チャンネルで15:30から放送されます。
ぜひご覧ください。

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