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歴史の捉え方 ボーディングスクールの授業

留学希望の生徒に嫌いな科目を尋ねるとかなりの確率で歴史が出ます。
なぜ歴史が好きでないかというと、「暗記することが多いから」だそうです。
アメリカのボーディングスクールでは、歴史の授業はディスカッションが
中心になり、暗記する項目は日本に比べると
「ない」といっても過言ではないでしょう。
精神も体も絶好の成長期にある10代の前半の生徒たちにとって、
知識の吸収の仕方は、彼らのその後の人生を左右するといってもいい、
重要事項になると思います。
この時期に蓄えられた知識は、一生使えるものではないでしょうか。
それに積極的に取り組めるか、あるいは嫌々ながらやるか、
彼らの人生の明暗を分けることになるかもしれません。
歴史を「暗記するもの」と
ボーディングスクールの歴史の先生たちは考えません。
「試験に出るから覚えなさい」とも言いません。
そもそも、先生そのものの興味は、歴史という自分の専門領域を通して
彼らと生徒との関わりにあります。
たとえば、関ケ原の戦いという日本史上の重要事項を例にとれば、
それがいつ、誰が、どこで起こったのかということを暗記させるのではなく、
なぜそれが起こったのか、結果として歴史がどうなったのか、
君が東軍の大将であればどのように動いたか、
西軍が勝ったら、今の世界はどうなっていたかを考えようなど、
ひとり一人の生徒が歴史に興味を持つような質問を考えます。
ボーディングスクールの先生は、自ら教える15人ほどの生徒が、
どのようにすれば、歴史を通じて、生徒たちがこれからの長い人生で、
他者とのかかわりを学べるかということに授業の核心を持っていきます。
歴史を通じて、自分の人生をシミュレーション(想像)することに
多くの生徒は暗記とは違う「自分のこと」として興味を持ちます。
司馬遼太郎さんの歴史小説が、これだけ愛読されるのも、
彼が愛した日本の歴史のとらえ方に、読者が共感を覚えるからと思います。
歴史をより身近に、自分にも起こり得る、あるいはそのように思うと
自分の世界観や生き方のレンジを広げることができるから、
いつまでも彼の作品は多くの人たちに愛されます。
ボーディングスクールの歴史の先生も、司馬さんに負けず劣らず、
歴史が好きな人たちだと思います。
彼らが自分の授業の説明を始めると、なかなか止まりません。
自分の分野に関して、限りない愛情を持っているからそうなると思います。
そのような先生に教えられる歴史は、生徒たちに人生や世界観への
限りない興味と愛情を育てる一助となるに違いありません。

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