留学コンシェルジュ

#2 ボーディングスクールの多国籍性について

<昨日のブログに続きます>
英語圏の中等教育機関が留学生を積極的に受け入れるようになった背景を経済的観点から考えた昨日のブログに続いて、今日は教育事情の変化について考えてみたいと思います。
繰り返し述べていますが、ボーディングスクールの授業はいずれも少人数制で文科系の授業はディスカッションが中心となります。いずれの学校でも、試験にでるから覚える方式の授業は行われていません。
ディスカッションが盛んにおこなわれるということは、生徒ひとり一人が自分の意見を持っているということになります。意見が異なれば異なるほど、議論は深まり、考慮する要素が多くなります。
たとえば、第二次世界大戦を学習する際、ディスカッションの現場に、勝利国の生徒と敗戦国の生徒がいれば、当然のことながら、議論は多岐にわたる可能性があると思います。それを演出するのは先生です。お互いの意見が対立すればするほど、生徒たちは迷い、考え、時に冷静さを失うこともあるでしょうが、それだけ授業に専心没頭できるということが、彼らの学習意欲を増し、知的な好奇心が読み書き力に繋がっていきます。そして、彼らが到達するところには、これからの世界の在り方があります。
アカデミックな意味でのグローバルな社会の小さな実践は、これからの教育を考える際には必須の要件となるのではないでしょうか。その機能をボーディングスクールが積極的に追求しないはずがありません。すでに、大学では国際性は当然のこととしてうけとめられているだけではなく、国を超えた大学の連携はこれからよりその重要性を増していくに違いありません。
そのような教育界の状況にあって、アメリカのボーディングスクールは小規模な大学を目指して進んでいるように思います。そもそも少人数クラスやディスカッションなどは、大学のゼミ形式の授業といえるのではないでしょうか。歴史、文学、社会、経済、自然科学、哲学、倫理などの学問は、自分という軸が明確でなければ、手の付けようがありません。自分が何を目指しているのかが明らかになった時、それに向けて調査や研究が高等教育機関での学習内容となりますが、その原型を中等教育時代に実践しているところが、ボーディングスクールではないかと私は考えます。

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