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ボーディングスクールの多国籍性について

英語圏のボーディングスクールは、ほとんどすべて学校が積極的に留学生を受け入れています。ESLの有無にかかわらずウェブのアドミッションページにはInternationalあるいはInternational studentsというボタンがあり、出願要綱と条件が示されています。下記はそれぞれの国のボーディングスクールの留学生の平均的出身国数です。
スイス 55か国
アメリカ 20か国
イギリス 20か国
カナダ 12か国
ニュージーランド・オーストラリア 10か国
ボーディングスクールが留学生の受け入れを積極的に進めるのは、主に2つの理由があります。
ひとつは、学校運営上、自国の生徒のみの受け入れでは、とても苦しいあるいは成り立たないという事情です。
アメリカの場合を考えると、ボーディングスクールが留学生受け入れのためのESLを整えるようになったのは、おおよそ80年代です。現在では、TABS加盟のボーディングスクール210校のうち、半数以上の131校にESLがあります。
スイスのボーディングスクール団体、スイスラーニングに属する11校にはすべてESLがあります。
カナダの主だったボーディングスクールはTABSに加盟しているESL付きの学校です。
ニュージーランドでは、ESLはESOL(English for Speakers of Other Languages)と呼ばれますが、留学生受け入れのための必須条件として、現在ではアメリカと比較するとTABSの加盟校(210校)以上の数のニュージーランドの学校が、ESOLを自校で確率し、留学生の受け入れをとても積極的に行っています。
ボーディングスクール発祥の地イギリスでも、学校運営上、留学生の果たす役割はアメリカと同様と言えます。
第2次大戦後に資本主義圏で世界を牽引したアメリカが、経済的に衰退してドルを金に換えることを停止したドルショックが71年です。それから20年ほど遅れてボーディングスクールがESLを積極的に持ち始めました。ESLのインフラを積極的に進め留学生を受け入れるようになった時期は、アメリカの経済事情と考え合わせると、辻褄が合うのではないでしょうか。
スイスのボーディングスクールは、大別するとアメリカ系、イギリス系に分かれます。TASISはThe American School In Switzerlandの頭文字をとったものですし、Leysin American SchoolもあえてAmericanという単語を学校名に付けています。これすなわち、これらの学校が創立(TASIS-1954年、Leysin American School-1960年)されたときは、アメリカ経済が劇的に伸びて、ヨーロッパに在住するアメリカ人のための学校がスイスで展開できたことを意味していると思います。
ボーディングスクールだけでなく、国や地方自治体という観点から、留学生の受け入れを考えると、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでは90年代に自国の公的教育機関が、中等教育機関での留学生受け入れを積極的に行うようになりました。
つづく

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