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#5 ボーディングスクールの学習について

<昨日のブログに続きます>
1日2時間程度のスタディーホール(自習)の時間だけでは、到底大学受験に備えることはできないと考えるのは、日本人生徒が暗記型の詰め込み学習が当たり前と思っているからです。生徒だけでなく、先生や学校全体も徹底した集中学習による受験突破が中等教育の目標であり、その方式をサポートするように学校生活も組まれています。
進学先の学校選びは偏差値でほぼ決まり、何をどのように勉強したい、追求してみたいというよりも、「どこに入る」ということが問題にされて、入学した後はもっぱらやりたい勉強よりもアルバイトやサークル活動などに終始するというのが、日本の大学生では当たり前のことになっています。
詰め込み勉強など、好きな生徒はほとんどいなく、その繰り返しに耐えてきたわけですから、ゴールした以上、その続きなどやる気になるわけがありません。また、そもそも好きで勉強したわけではありませんから、より高等な勉強といわれても、イメージできないのは当然でしょう。
ボーディングスクールで生徒たちに徹底して考えさせるのは、「自分とは何か」です。自分は、何をしたいのが、何が好きで、将来どのようなことをやっていきたいのか、そのために今どうしたらいいのかという哲学的な命題に生徒たちを取り組ませ、そこから彼らのやる気を引き出しています。
24時間を学校で過ごすということは、たとえ自習時間が夜の2時間のみであっても、昼間の授業の空き時間、週末の時間、授業そのもの、先生への直接質問、学校システムにある個人指導などを自分で有機的に使うことで学習力は向上します。
ある日本からの留学生は、7年生としてボーディングスクールに入学したときは、英語力はゼロでした。その生徒が1年と半年のボーディングスクールで現地生徒と同様に5科目をこなせるようになりました。
ボーディングスクールでの徹底した時間管理と詰め込み教育の結果そうなったのではありません。その生徒を動かしたのは、本人曰く、「奨学金をもらいたい」ためだったそうです。すなわち、高額な授業料を親に負担させて、自分は理想的な環境のもとで、勉強、スポーツ、長期休みの時期には、メキシコやカナダの友達のところにも行けるようになった。こんな恵まれた環境で学ばせてもらっている、親が一所懸命に日本で仕事をしているわけだから、少しでも親の負担を軽減するために自分は徹底して自ら努力しければならない―このように発想して学力を伸ばしたというのです。
つづく

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