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2 ジュニアボーディングスクールの位置づけ

<先週、金曜日のブログに続きます>
ジュニアボーディングスクールについて解説をする前に、先週末のブログでは、日本の受験について言及しました。受験で最も大切なことは、本番の試験で「失敗」しないことです。いくら努力を重ねても、本番の試験で良い結果を出せなければ、それですべては終わってしまいます。そこでは、失敗しないことが重視されるようになり、好奇心や趣味、興味などは、受験の王道からみれば、あくまでも余暇にやるものということになります。
受験のため、各教科から出題される基礎的な問題、事柄を徹底して学び、その決められたラインにうまく自分の意識を乗せることができさえすれば、受験対策作業の半分くらいはおわるでしょう。さらに過去の問題の傾向を徹底的に分析して、その対策を堅牢、強固にしていく日本の受験においては、個性や特性という個人の資質が問題にされるわけではなく、要するに知っているか、いないか、その広さと深さの度合いがひたすら問われることになります。その基礎的学力をもって、そのあとで自分の進みたい分野に舵を切るわけですが、果たしてその時期から、コミュニケーション力、問題解決力、プレゼンテーション力、ディスカッション力などを鍛えれば社会に出てよい結果が生まれるのでしょうか。
それらの力は、すべて相手があって成り立つことです。しかし、受験の世界では、相手は他人や、自分が取り組むプロジェクトなどではなく、ひたすら問題を解く自分自身です。さらには、自分とは何かという問いではなくて、与えられたことを消化し、それをコンスタントに出せるかということのみが問われます。その問いがいかに学問的に高度であったとしても、単純な作業の繰り返しであることに間違えないでしょう。
受験という目的のために、蓄積された知識は、残念なことにその目的が達成されるとその多くは未使用のまま忘れ去られてしまいます。そして、失敗しないこと、それを回避するための合理性といういわば、受験で獲得した知恵が社会にでても残っているとしたら、それはグローバルスタンダードから著しく逸脱しているものになってしまいます。
つづく

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