留学コンシェルジュ

トロント大学サマープログラム 定点観測 今の子供達は、見猿・聞か猿・言わ猿?

コミュニケーションの機会が留学生一人一人の可能性を広げる!

 

前回のブログからの続きです。

前回のブログでは孤独を恐れず、留学を体験しているその瞬間の価値をしっかりと認識して頑張る二人の生徒のお話をしました。

スマホを通しての良い側面や少数派ながらも独自路線で頑張る生徒たちの行動をヒントにこれから留学をする生徒たちには頑張ってもらいたいと思います。同時に物事には必ず別の側面もありますから今回はそのお話をしていきます。

今回の定点観測で確認できる大きな変化として、10年前の生徒たちとの大きな違いはどんな隙間時間にも、スマホで自分の世界に没頭することができるところでしょう。

集合場所での待機時間、課外活動でのバスでの移動時間中、グループ移動中の信号待ちの時間、ちょっとした隙間時間に多くの生徒たちの目は、常に片手に持ち歩くスマホの画面に移動します。これは私を含めた大人たちも同じ動作をしているわけですから、「今時の子供達が・・・」なんて説教臭いことを言える状況でもありません。

本当に1分でも空白時間があればスマホに目が行くのはこれはもう習慣と言っても過言ではないと思います。タイパ(タイムパフォーマンス(時間対効果))なんていう言葉がありますが、まさしく子供達は貪欲にタイパを求めているようにさえ感じてしまいます。彼らなりの正当な理由はあるのでしょうから、闇雲に責めることはできませんが、それでも、留学という日常とは違う体験に満ち溢れた環境において、スマホに目が入ってしまうことはもったいないと感じてしまいます。

三猿+α?

話は少し飛びますが、我々の世代では日光東照宮の彫刻として有名な「三猿」はみなさんご存知だと思います。

見ざる・言わざる・聞かざる ですね。

この三猿だけであれば、何も特別なものではないですが、このネットの情報では最近もう一猿が加わっています。

皆さん、なんだかわかりますか?

 

先日、ネットを閲覧しているときに面白いイメージ画像を見つけたのですが、(偉そうなことを言いながら私もネットに費やす時間が多いのです・・・。)それは、スマホを両手で握り、耳にはヘッドフォン、黙々とスマホをみ続ける「見猿聞か猿言わ猿」を一人で演じる猿です。。

一つのジョークでしょうが、この絵は私に多くの示唆を与えてくれます。

それというのも、既存の三猿はよくよく考えれば、見猿は「よく聞き、よく話す猿」、聞か猿は「よく見、よく言う猿。」そして、言わ猿は「よく見、よく聞く猿」ということができる。何かしらの方法、自分の得意な方法で外部の情報を吸収しようとしている姿と捉えることとできると思います。

それでは、スマホを抱えた猿はどうか? その答えは誰もが経験があるでしょう?

 

スマホの画面に全集中。周りの正解とは一歳切り離された自分だけの世界。

 

私がサポートをする生徒たちはいろいろな特性を持っています。話すのが上手い生徒もいれば、人の話をよく聞く生徒もいます、言葉で説明するよりも画面を見せて理解をすることに長けた生徒も多いです。

特性ですから、ある程度生まれ持って能力です。自分の得意な分野で世間と繋がることの大切さ、居心地の良さ、そこから生まれる自尊心、自己肯定感を体感することが出来ます。私は生徒達に自分の特性を大事にすることを伝えています。そこから生まれる自信が、次の成長の糧になるからです。

だからこそ、自らの特性に合わせて身の回りで起きていること、身の回りの人間関係をしっかりと自分の感覚を通して理解する感性をしっかりと「使う」ことは留学=人間形成の場において大切なことです。

 

一方でスマホを片手に「見猿聞か猿言わ猿」を一人で演じる猿はその機会を一切遮断してしまっています。スマホから一方的に流れる情報をただただ享受している側の人間にとっては、ネットの情報から自己肯定感や自尊心を育むのはほぼ不可能と言えるでしょう。

 

特に留学中(特に初期段階)においてスマホが子供達にとって重要なツールになる理由については、前回のブログでも言及したように「居心地の悪さ、孤独感からの解放です。」、彼らがその感情から解放してくれる存在としてのスマホは、彼らにとっては心強いツールになります。

 

その感情自体は全く否定されるものではないと思います。しかしながら、それにどっぷりと浸かるのではなく、1時間でも2時間でもスマホから解放されて、三猿のどれかを留学という限られた貴重な時間を使って演じてもらいたいと思っています。そして自分は「何猿?」であるのか?探究して欲しいと思っています。

 

集合場所での待機時間。課外活動でのバスでの移動時間中。グループ移動中の信号待ちの時間。

 

周りの声に耳をそばだててみる、

トロントの街並み、生活感をその目で事細かに観察してみる、

できるだけ多く英語で話す時間を作ってみる。

スマホに目にやる時間の半分でもそれができれば、この世代の子供達は「スマホ&留学」を通してより素晴らしい体験をすることが出来るようになると確信を持って伝えることが出来ます。

そして、今回のトロント大学での気づきを、私自身、今後の宿題としてこれからの生徒たちへのアドバイスとして役立てたいと思っています。

 

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