日曜コラム 日米、交通文化の違い
過去10年間、アメリカ東海岸地方を毎年1万キロあまり
ドライブしてきて日本の道路、交通事情と異なる2つのことが
大いに気になっていました
一つは道路の作り方、もう一つは有料道路の料金です
日本に比べてアメリカの道路はいい加減この上なく、広大な山林を
縦横無尽に走る道は、田舎道、高速道路に関わらず、
おおよそ自然の地形にベターとアスファルトを貼ったように作られています
日本では考えられないようなジェットコースター的な道が
アメリカでは当たり前であり、路肩の処理や道のメンテナンスなど
日本のような丁寧さ、繊細さ、整然さなどはないように思います
そのかわりに、アメリカの有料道路は日本のそれに比べるととても安いのです
高速道路は、そのほとんどが無料であり有料道路であっても
高くて5ドルくらいです
日本の20倍以上の国土を持つアメリカだから、そして車社会だからと
漠然と日米の交通文化の違いを楽観視していたのですが、
両国の道の作り方とその管理は、お互いの文化のありようを
象徴しているようにも最近おもえてきました
日本では、「ちゃんとやる」、「しっかりやる」、「きちんとやる」
「頑張る」などの精神的態度がとにかく重視され、ともすると
このような掛け声のもと、「なぜ」が漠然としてしまうような気がします
また、この精神性さえ押さえておけば、お金は出るということはないでしょうか
以前に日本では、民主党が高速道路の無料化を掲げて選挙に勝ったことが
ありましたが、日本の主要な高速道路は未だにアメリカの高速道路では
考えられない高い通行料となっています
アメリカ式のいい加減さは、日本ではかなり人気がないばかりでなく
まだ、社会にみとめられていないのではないかと思います
しかし、詳細にこだわらなくとも、目的を達成できて、なおかつ
お金もかからないとしたら、徹頭徹尾ちゃんとやり、しっかりやり
頑張らなくても、ものごとの本質を見抜く力は養えるのではないでしょうか
若い留学生には、日本の文化、社会構造に関わる背景なども
異文化に接することで、客観的にメリット、デメリットを比較し
グローバルをより身近なものにしてもらいたいと思います