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日曜コラム 養蜂 - 田舎の生活と自立への道

養蜂家として自立の道を歩んでいる二男は千葉の君津市の郊外に住んでいます。
彼によると、蜜蜂の巣箱を置いている山あいまでの道の往復で、
野生の動物に出会わない日はないといいます。
猪、猿、イタチ、蛇、空を舞う鳶、たまには鹿まで、
千葉県はそれほど田舎だったのかと息子の話を聞いていると思います。
実際に彼の住んでいるところへは、車でないと行けません。
確かに舗装道路が一本通っているだけ、民家もまばら、前の山には
鉄製の柵が張られているのですが、息子に聞くと農作物を荒らす猪対策だそうです。
養蜂は自然が相手です。人工のものはありません。
春から夏にかけて彼はアカシアの花が群生する場所を求めて、
岩手の家内の実家、二戸郡浄法寺町まで行きます。
そこは、山間の町で、私たちが林道をドライブしていたら、
「もののけ姫」で描かれたニホンカモシカの親子がなんと、前方に現れたのです。
円形に湾曲した太くて大きな角を持ち、成人よりも大きな体躯の野生動物を
日本で目撃したのは、後にも先にもあの時だけでした。
アメリカ、カナダのボーディングスクールを訪問すると、そこではよくリスを見ます。
また、ニュ―ジャージ州のプリンストンにあるハンスクールを訪問した時は、
数頭のシカの群れを目撃しましたが、岩手の田舎のニホンカモシカと遭遇した時は、
彼らと目が合うほどの至近距離で、新鮮な衝撃を受けました。
20代半ばの息子が自らこころざして養蜂家として働いていることは、
日本の農業の現実のなかでは、とてもまれなことと思います。
日本の養蜂も他の農業と同じく高齢化が進んでいます。
彼が自立してから1年半が経ちました。
自然が相手ですから、気候に振り回されもします。
大雪、長雨、酷暑などから、蜜蜂を守り、花が咲く時期を予測して、
2トン車を借りで長躯日本を移動し、蜜で満たされた巣箱は、
早く処理をしないと次がありません。
繁忙期と閑散期を自ら調整し、それで食べていけるようになるためには、
仕事が好きであることを維持しなければなりません。
好きであることを仕事に出来ることを私自身が実践しているのですが、
息子にも自然を相手にする仕事で成長し、
自分の人生を作ってもらいたいと、私はこころから願っています。

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