#2 中学留学生の自己認識について
<昨日のブログに続きます>
中学留学生にとって、どのようにして日本についての学習を維持するかということは、アイデンティティを確立するうえで大切なことのように思います。多忙な留学生活のなかで、週末を補習校に通うということはボーディングスクール留学生にとって現実的なことではありません。
漢字ドリルや日本の歴史などの教材を持参しても、結局やる時間がとれないという結果を多くの留学生のお母さんが経験しています。留学している本人が主体的に考えられないことを遠隔操作することは困難を極めることになると思います。
アイデンティティを学習によって得るという既成概念から少し外れて、中学留学中の日本に対する学習は、留学している本人が興味を持てるもの、率先して行えることを中心に考えることが重要に思います。
昨日も述べましたが、日本を知るうえで、読書はとても便利でまとまった学習ツールです。但し、読書を好まない生徒もいます。好きでないものは続きません。かれらにいきなり夏目漱石や森鴎外を読めと強いてもうまくはいきません。読書が好きでなくても漫画や若者向けの小説、あるいは邦画など日本の文化を伝える手段は必ずあります。
留学している本人が興味を持てることを探して与えるのは、中学留学においてはとても重要に思います。
ボーディングスクールの特徴として、休みが多いことも挙げられます。その中でも学年が変わる夏休みは6月上旬から9月上旬まで3か月ほどあります。1年のうちの1/4に相当するこの期間を有効に活用することで、本人のアイデンティティの確立を積極的に進めることができます。
この期間に留学生を対象とした予備校、塾に通う、出来ればアルバイトやボランティアを経験するなど、3か月間の間に複数の体験をすることをお勧めします。
留学生を対象とした日本の学習機関での勉強は、TOEFL、SAT、SSATが中心となります。これらのテストに対する対応は、留学中はなかなか手が回らないのが現実です。それ故に、休みの時に集中的に勉強しておかないと点数アップが望めません。英語が話せて、ボーディングスクールでの成績もAが多く取れるようになったとしても、TOEFL、SSATの点数が低くてはランク4以上の高校ボーディングスクールへの進学はできません。
つづく