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小・中・高校留学-個性・能力の発見4 サリンジャーの主張

今年の1月29日、J.D.サリンジャー氏の世界屈指のベストセラー、
キャッチャー・イン・ザ・ライをご紹介しましたが、
サリンジャーという強烈な個性が求め続けた価値観を
日本の高校生向け英語の教科書が取り上げています。
主人公(ホールデン)の妹が彼に「何になりたいの」
というくだりからをご紹介します。
“Name something you’d like to be. Lke a scientist.
Or a lawyer or something”
Holden thought about it for a long time and replied
that he would like to be “the catcher in the rye.”
He said that this was someone who stopped children from
falling off a cliff when they were playing in the field of rye glass.
I think Holden meant that he wanted to protect children from
going over the eduge into adulthood.
Children’s innocence is very valuable to him,
because he thinks the adult world is phony.
One major theme in The Catcher in the Rye is alienation from society.
Holden believes American society is selling its value system for money.
He also believes that no one in society has the courage to be honest
or diffrent from others.
Everyone is a “phony” in Holden’s opinion.
ホールデンがなりたいものはライ麦畑(の端にある崖)から子どもたちが
落ちないように彼らを見守る人でした。
崖下が大人の世界、そこの価値観はMONEYと断言し、
金のために人としての誇りと誠実さを失った社会を「うそっぱち」と言う、
サリンジャーを世界の人たちは1951年以来読み続けました。
その数6500万部以上に達するそうです。
多くのボーディングスクールが掲げるMake a difference(つまり個性尊重)
という理念は、サリンジャー旋風が巻き起こした50年代の颯爽たる価値観
であったかもしれません。
また、彼が物質にどんどん流されてゆく人への危機感の表現だったと思います。
アメリカの高度成長期に大ブレイクしたこの小説の主題は、
明らかに人の心のあり方、誠実さ、正直、すなおさなど、
人が失ってはならない原点の主張と、それを振り切って伸びて行く
アメリカ社会への警鐘だと思います。
そして、もちろんアメリカのボーディングスクールの国語(英語)の時間には
元気な先生が、この小説のテーマを
口から泡を飛ばしながら、生徒たちと議論しています。
この「議論」ができることが、ボーディングスクール「教育」の概念であり、
それに参加できることが、留学生にとっては自尊心の芽生えになると思います。
私はそれができることが「個性」・「能力」追求の原動力と思っています。
その原動力があってこそ、「危機感」、「使命感」といった社会的精神の
積み上げが可能になると思っています。
日本の元気な先生たちとアメリカの先生たちが議論の場を作りたいものです。
そして、日本の先生たちは言うと思います。
日本には、キャッチャー・イン・ザ・ライス
(ライ麦が日本はあまりないので)はたくさんいる。
稲刈りが終わった田んぼの土手で遊んでいることもが
川に落ちないように、つかまえる人たちだなどと言ってほしいと思います。
時には、偏差値やテストを忘れ去り、人生や価値観について、
まっこうから話し合う機会を生徒たちと持ちたいと
先生たちは願っているのではないでしょうか。
グローバル時代でも、サリンジャーの主張が色あせず、
人をはっとさせる力を持っている。
私は数日前の生徒との「英語教室」でサリンジャーの価値観を
熱く、熱く生徒に語っていた自分に今、気付きました。
つづく

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