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#9 質問について ― ボーディングスクール留学

ボーディングスクールでは、質問がとても大きな意味を持ちます。インタビューでのDo you have any questions?から始まって、卒業まで、質問をすることは、生徒の権利であり、それを適正かつ効果的に行使することを、先生たちは見ているように思えます。
質問をすること、質問に答えることは、日本からの留学生が乗り越えなければならない大きな課題といえます。もちろん、質問の概念に欠けているのは、日本の教育が現在でも生徒主導で考えられていないからだと思います。
教科書というお手本が明確に存在する日本では、毎年、毎月、毎週、毎日、何をどのように教えるかのガイドラインが明確にあるように思います。それを踏まえて、たとえば、先生が授業を脱線したとすれば、それを平常に戻すためには、失われた授業を取り返さなければなりません。脱線の内容にもよるのでしょうが、生徒の授業外の課題が増えることが生徒たちの負担となるでしょう。
教科書を選択することは、先生の意思次第となれば、この事態は極端に変わっていきます。
第一に、入学試験の問題が混沌としてきます。日本の場合、教科書システムがあるから、そのガイドラインに沿って、初級、中級、上級などの試験を作ることが出来ます。たとえば、関ケ原の戦いで東軍が勝利したことは、だれでも知っていますが、西軍の武将のうち、だれが裏切り、その軍勢が何人だったかなど、いわゆる重箱の隅をつつくような問題もでるようになります。すなわち、受験者の知識の総量を問う問題であり、受験者の考え方を問うような問題ではありません。
アメリカの場合、教科書は先生が決めるということが明確なので、大学側も学習指導要領の内容に沿った問題を個別に作るということよりも、知識については、基礎的なことを知っていることを確認する程度に限定されるのではないかと思います。
それでもSATという英語、数学、作文を柱とした学力を試す試験の英語は覚えるべき単語も多く、英語読解力もかなり高度に求められる試験です。
国語としての英語は、日本人にとっては、第一言語でないというハンディがありますから、ある程度この試験に特化した授業とは違い集中学習が求められます。この傾向はTOEFLにおいても同様のことが言えます。
しかし、SATの数学に関しては、一般的に日本人留学生はたとえ特別の勉強をしなくてもかなりの高得点を取ることが出来ます。
日本では、質問は授業の流れを遮るものとして、必ずしも歓迎されないことかもしれませんが、英語圏の学校文化においては、先生が教科書を決められるということが徹底しているので、少人数制を基本とするボーディングスクールにおいては、質問をすることは奨励されて、またそれに適格な答えを出すということが、生徒の授業における必須条件となります。

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