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日曜コラム #2 ホームステイの難しさ

ホームステイの難しさを一言でいえば、「嫁と姑」の関係と言えると思います。
嫁と姑の関係とは、今まで慣れ親しんできた家族文化から異文化への移行です。
料理の味付け、家の片づけ、洗濯の頻度数、リラックスの仕方、テレビ番組、
などなど大きな生活方針から細かな日常の生活管理事項に至るまで、
一つひとつを学び、調整していかなければなりません。
その主導権を嫁が握るのか、姑なのかで大いにもめることが多いわけです。
ホームステイの場合、主導権は当然、生徒たちにはありませんが、
ホストマザーの生活方針を受け入れられなかったり、
時として無視してしまうような状況はたくさんあります。
インターネットが夜の10時過ぎると使えない、
土日の朝食はないに等しい、夫婦共働きでホストマザーは料理をしない、
小遣いの使い道にまでいちいち口を出す、
洗濯の回数が少なく、着るものがなくなってしまう、
インターネット使用の条件を除いては、寮生活では起こらないことが、
ホームステイでは頻出する場合もあります。
英語圏の家は、日本の家と比較すると、広くて部屋数も多いですから、
空いている部屋に留学生を滞在させることは珍しくありません。
ニュージーランドの場合、一つの家庭に2-3人の留学生が
いることも珍しくはありません。
そのようなホストファミリーは、いわば下宿屋さんであり、
当然のことながら、下宿費用にホストする側は頼っているということも
あると思います。それが悪いわけではありません。
インターネット使用の制限は、寮生活でも当然の規則ですし、
土日はブランチといって、朝食と昼食が合わさった食事になります。
問題は留学生とホストとのコミュニケーションなのです。
殆どのケースで、留学生がホストマザーと直接対決することはありません。
しかし、それでは根本的な問題解決にはならず、ホストを変えるといっても、
何が問題の核心なのかを、ホームステイコーディネーターに伝えられない限り、
交渉のテーブルに留学生がつけることがありません。
日本と勝手の違う英語圏での生活で、英語のハンディと戦いながら、
日常の問題と取り組むということは、彼らにとって学習とはまったく別世界です。
そこに求められるのは、生きていく力であり、現実を客観的に理解して、
問題を自ら解決するという気構えに他なりません。
中等教育機関への留学で、ホームステイは半年あるいは1年と期間を限定すれば、
異文化を身をもって体験する良い機会になります。
しかし、卒業するまで、すべてホームステイというのは、現実的ではないと思います。

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