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ボーディングスクールの選び方 (5)(Hebron Academy HPより)

いよいよこのシリーズも5回目をもって最終回となります。

(9)Safetly
安全性=ここでは犯罪やコロナなどの伝染病だけではなく、学校での授業や通学中のリスクなどを包括した総合的な意味での安全性とここでは定義をしています。

(解説)
安全性への考え方は日本と英語圏では大きく異なります。特にボーディングスクールのガイドブックなどを見ると分かりますが具体的なケースが明文化されています。ドラッグやいじめなどについては特に厳しいルールを敷いていて、No Toleranceという言葉が並びます。意味としては「一切容認しない」という意味で、これらの事が発覚した場合は当事者には厳しい処罰が行われます。その理由は大多数の善良な生徒たちの安全を脅かす脅威に対してボーディングスクールとして厳しい対処をするという彼らの意思表明であり覚悟でもあります。

しかしながら、文頭に書いたように問題に対する日本との大きな違いとして、例えばいじめを受けている生徒側もしっかりとそのことに対する意思表明をする必要があるという事を留学生本人もそのご家族も理解をする必要があります。たとえ被害者側であったとしても、問題について当事者がしっかりと意思表明することで問題解決についてのアクションを起こす。このプロセスは欧米圏においては一般的なプロセスであります。日本との比較においてどちらが優れいているという単純な比較はできませんが、欧米においては、それがルールでありそれに則って生活する必要があります。

私自身、子供たちの問題に対してコンサルタントとして介入をする機会もあるため、都度、この安全性への考え方の違いを考えさせられます。 私の経験から感じるのはボーディングスクールにおいての安全性といは学校や保護者が安全な環境を子供たちに与えるのではなく、学校、親、だけでなく子供たちも主体となって安全なコミュニティを作り上げているという考え方がしっくりくると感じています。事実、何か問題が発生した場合、親と学校の教員の間だけで問題を解決するというプロセスを踏む事はまれで当事者である子供たちとの対話は必ず解決プロセスの中で行われます。

安全性を重要視すればするほど、学校のポリシーに共感できるか?スタッフの考え方に共感できるか? この部分がとても重要になってきます。そのために学校選びの際には学校とのコミュニケーションを通して、この部分の価値観のすり合わせをする事は大切なステップとなるでしょう。

(10)Values
価値観、9番目の項目に通じるところがあるかも知れません。
全ての学校には「ミッションステイトメント」があります。
例えば今回取り上げているHebron Academyで言えば彼らのミッションステートメントは” At Hebron Academy, our mission is to inspire and guide students to reach their highest potential in mind, body, and spirit” となっています。 意訳すると「生徒たちの精神的、身体的、な可能性を最大限に引き上げるための力強いガイドとなる事」となりますでしょうか。

それ以外に有名なところではテンスクールズの一つであるPhilips Academy Andoverの校章にも書かれているモットー「Non sibi」があります。これも彼らの教育に対する価値観を明確に表したものであり、この哲学に共感できるのであれば、留学生本人、その親として学校生活を通して見違える子供の変化について大きな満足を得る事ができるでしょう。

ちなみに「Non sibi」は英語では”Nor for self”。日本語ではこれは意訳になりますが、「他利」に近い言葉と言えると思います。自分自身の利益ではなく、他の人に対してどのようなメリットを与える事ができるか? それを教育の中で実践していくことを通して全人的な人の育成をしていく、これがPhilps Academy Andoverの考え方の根幹になっています。そのアプローチはこの学校において生徒たちが参加できるボランティア活動の多さという形でも表れていると感じます。

学校を選ぶ要素はそれこそ沢山あります。しかしながらその根幹にあるのが教育対する指針である事は言わずもがなです。「学校名+Mission Satement」と検索をかければ必ずその学校の基本的な教育に対する哲学を読む事ができます。

学校と子供、そして親の価値観を一体化させる事。これも学校を選ぶ際にとても重要な要素である事をこの最後の項目では伝えています。

ここまで、5回にわたってHebron Academyがそのブログ記事として挙げていた「10 Questions to Ask When Considering a Boarding School」を基にその解説をしながら学校選びのポイントについて触れてきました。なかなかすべての項目についてこだわり抜くことは難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これらすべての項目を数時間足らずで満足させる方法があります。それは「学校訪問」です。

学校訪問は現地のスタッフや生徒たち、キャンパスの雰囲気や食堂のにおい、学生寮の部屋の様子など五感をフル活用してその学校の特徴を短時間のうちに知ることが出来る大変有効な手段であることは疑いの余地はありません。「一見は百聞にしかず」という諺のとおり、HP上の情報やYoutubeの動画を見ることも重要ですが、自分自身の選択により確実性を持たせるのであれば、実際に学校に訪問することをおすすめします。

参照元:https://www.hebronacademy.org/about-us/the-well/~board/the-hebron-well-blog/post/10-questions-to-ask-when-considering-a-boarding-school

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