留学コンシェルジュ

「海外留学はもはや時代遅れだ!」の先にあるもの。

「オンライン授業は留学の代わりになるのか?」というブログを前回アップさせていただいてからとても多くの意見やコメントをいただきました。そのような中で知人より「面白い視点を持って教育を見ている人がいるよ」とのコメントと共に動画のリンクをもらいました。その人物はその動画の中で「留学は意味が無い」というような事を言っている、との事でした。私はとても興味をそそられたので早速その動画を視聴してみる事にしました。

その動画の語り手は堀江貴文氏(以下ホリエモン)です。ホリエモンが立ち上げたという「ゼロ高等学院」関する動画です。以下にリンクを貼ってありますのでご興味がある方はぜひ、私のブログと共に視聴してみていただきたいと思います。

このブログでは誰が何を言ったのか?それが正しいのか?正しく無いのか?という論点での話をするつもりはありません。その理由は私が生徒に接する時のポリシーと同じ理由からですが、「いろいろな考え方の人がいて良い」「それが正しい、正しくない」を論じる事はその思想が人道的に著しく反していない範囲においては人格、性格、こだわり、考え方という範疇での「違い」と捉え、それが存在する事を許容する事もとても大事だと思っています。インターネットを利用して間接的に表面的な言葉の意味を持って物事を判断しがちな世の中において、特にそのようなスタンスを持つ事の必要性が高まっていると思います。そしてこのスタンスはボーディングスクールの教育とも共通する部分です。双方の意見や考え方から学ぶ事。異なる意見が同時多発的に存在していても良いという考え方、この姿勢こそがとても大事であると考えています。

確かにこの動画の中で彼は「留学は必要ない」というニュアンスの発言をしています。(実際には「留学なんてお花畑の世界ですよ・・・」)(追記:後から「海外留学はもはや時代遅れだ」という動画もある事を知りました。その動画も踏まえて)この部分だけをその言葉の先にある本質を見る事をしない場合、人によっては「ホリエモンが留学は意味が無いと言っていた」だから留学は意味がないよ。となるかもしれません。ネガティブな情報は数倍早くポジティブな情報よりも広まるという性質からも、少なからずこの言葉に影響を受ける人もいるかもしれません。しかしながら、私はこの動画での彼のメッセージの本質はそこには無く、むしろこれから留学を考えている子供たちには大切なメッセージが沢山隠されていると感じました。

動画の中で彼はこう言います。「何かの正解をみんなすぐ求めるけど、現実の世界では試行錯誤してみないと答えは分からない」と。私の前回のブログでは「留学」には明確な定義がない事、個々人がその意味を見出さなければならない事について触れましたが、ホリエモンが言っていることはそれに非常に近いことだと思います。留学に例えるのであれば「留学」自体は正解にはならない、留学をきっかけにそこでの「試行錯誤」というプロセスを経て初めてそれが意味のあるものになると私は考えています。

ホリエモンはこうも言っています。「妥協をしないで最後までやり切る力をつけるには多くの人たちは何回もやっていかなければいけない」この文脈としては何度も失敗しても成功するまで続けることの大事さを説いています。これは以前に取り上げた「Grit」の著者であるアンジェラ・ダックワース(Angela Duckworth)さんも同じ事をその著書で強調しています。長期間、海外というアウェーの環境で留学をする学生にとってはこの「やり切る力」はとても重要な留学成功の要因になる事は言わずもがなです。

そして、後半では彼は自分の得意分野を伸ばすことの大切さを述べるにあたって、日本的教育の弊害について触れています。彼の言葉を要約すると、目的も目標もそして得意な事や興味のベクトルも違う人たちが一緒に集まって勉強を「受けさせられている」環境で学習する事は非効率だと言います。

このコメントは、2018年に我々を通して留学をされたお子様を持つお母様へのインタビューのコメントを思い出させました。

そのブログの一節をそのまま引用をします。「日本にいた時のお友達からの情報で、あの子が一番気にしているのは、『やらされている感』です。日本で受験のための準備をし始めている人たちは、自分に与えられた現実に必ずしも納得はしていないようです。それでも、それにどう対処したいいかも分からないまま、一日を過ごしているように思えます。学校の授業は面白くないにもかかわらず、それを受けなければいけません。また、学校から帰れば、受験勉強をしなければいけません。そのような生活だから留学している私の娘のことが、お友達は気になるのだと思います。」

ホリエモンはこの動画では「何かに熱中する事の大事さ」「やり遂げる事の大事さ」を語ってこの動画を締めていますが、日本の教育においては目指すべき大学受験に受かるという大きな目標のために勉強をする、もしくはしなくてはいけない状況で学習をする子供たちに対して、学習の本当の意味とは?という議論に一石を投じるとても興味深い動画だったと感じています。

同時に彼が成し遂げようとしているこの教育環境は、アプローチは違えど、すでに海外のボーディングスクールでは確立されている事も触れておきたいと思います。得意分野を伸ばす教育、そしてチャレンジと失敗に対して寛容で、再チャレンジのチャンスが常に与えられ、そのプロセスさえも評価の対象とするスタンスはボーディングスクール共通の教育哲学です。その価値をしっかりと理解して、そして留学をする子供たちが自ら「留学をする意味」を見出している限り、留学という選択は子供の成長にとって素晴らしい選択肢であると私は考えています。

今回のタイトルを回収するにあたり、ホリエモンの「留学に意味が無い」のニュアンスの部分だけを分かりやすくピックアップしてその言葉を額面通りに受け取ってしまう事は皮肉にも今回ホリエモンが伝えようとしていた事と真逆の意味として捉えてしまう事になりかねないと思っています。この動画で彼が伝えようとしていた事は「惰性として受ける」、「受けされられている」教育には意味が無いという事を伝えようとしていると私は考えています。留学も然り、惰性で行く留学、誰かに行かせられる留学はやはりそこに意味を見出すのは難しいでしょう。留学に意味を持たせるためにはそこに確固たる理由を見出すことがとても重要になります。それが出来ればホリエモンに「意味が無い!」とは言われないし、言わせない留学ができると思います。

その意味から、私がサポートをする子供たちには留学前、語学力よりも何よりも「留学する理由」にフォーカスして自らのゴール設定をクリアにすることから始めますが、その部分については次回また機会があるときに触れたいと思います。

 

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