Hotchkiss School訪問
<前日のブログに続きます>
Hotchkiss Schoolを案内してくれたのは、この学校の10年生の日本人男子生徒でした。東京にあるインターナショナルスクールを卒業して、9年生として入学したとのことです。彼は通常の会話は英語で日本語はセカンドランゲージでした。
学校ガイドとしての彼はほぼ完璧でした。その根拠は、この学校で学ぶことが楽しく、自分に最適な学校ということが彼の言葉や態度から見て取れたからです。
この学校の学習棟は一つに集中しているためとても移動しやすいのが特徴です。リベラルアーツ系(文化系:英語、歴史、社会などの科目が中心)の授業はハークネスと呼ばれている楕円形の大きなテーブルがある教室で行われます。黒板(あるいは白板)は授業の中心ではありません。
先生が語り、生徒が意見を出し合う、先生が問題提起して、生徒がそれに答える、そのような授業が実際に行われているのを目撃します。もちろん、居眠り、携帯操作、おしゃべりなど授業に参加していない生徒はいません。もし、そのような生徒がいたとすれば、クラスから出されます。日本とは何と違うことでしょうか。
生徒がクラスを移動する通路はとても広く、ラウンジのようなスペースがたくさんあります。先生と生徒は話をしたり、生徒同士が、あるいは生徒が一人でくつろいでいたりしています。アメリカでは珍しく3階建ての学習棟になっているHotchkiss Schoolですが、理数科系、芸術系などがそれぞれの階に割り当てられています。
もちろん、スポーツ棟は公道を挟んだ向こう側に広がっています。その巨大な建物の中には、厳冬のなかでもほぼすべての運動や室内競技ができるように設計されています。また、冬のスポーツの花形、アイスホッケーのリンクも室内に2つあります。
これらの施設をまんべんなく見てまわるのに1時間などあっというまに過ぎていきます。特に音楽、美術、演劇やミュージカルなどの施設はプロ仕様なので訪問者の驚きは続きます。これが「高校」の施設であるところが、日本的には考えられないことで、どの学校もワンパターンの教室と職員室というお決まりの構図はアメリカのボーディングスクールにおいてはまったく当てはまりません。
先日紹介したDeerfield AcademyもこのHotchkiss Schoolも日本で言えば大学仕様、あるいはそれ以上の機能を持っていると言えるからこそ、世界からここで学びたいとうい生徒が集まって来るのだと思います。これらの学校の魅力は訪問してみて、そこで学ぶ生徒や教えている先生たちを見て初めて実感できると私は思います。
「世界は広い」と訪問した生徒やご家族は思います。「こんな学校があったのか」と訪問した人々はつぶやきます。「この体験をなるべく多くの人たちにしてもらいたい」と学校訪問をするたびに私は実感します。