素直なこころの大切さ
日本を代表する企業家として活躍した松下幸之助さんは、
素直なこころをとても大切にした人でした。
その精神は今の教育の世界にあってもきわめて重要にして大切なものと思います。
特に留学においては、一夜にして周囲が劇的な変化を遂げるわけですから、
素直にそれを受け入れることができなければ、大変なことになります。
幸いなことに、私の経験から言えることですが、中等教育機関としての
ボーディングスクールに留学する人たちは、そのほとんどが
素直なこころの持ち主であるといっていいと思います。
なぜならば、中途帰国をする生徒は100人に一人くらいだからです。
彼らは急激な環境の変化を楽しめるようになるまでに、
それほど長い時間を要しません。
日本においては大学を含めると10年にわたって英語を学んでいるにもかかわらず
大多数の人が、英語をコミュニケーションの道具として使いこなせないのに対して、
中学生留学生諸君は彼らの20倍から30倍の速さで英語が使えるようになります。
とらわれのないこころが使える英語のマスターを早めていると思います。
語学習得も素直なこころ効果がとても大きく作用することは、間違えありません。
ヨーロッパやカナダのボーディングスクールでは日本からの留学生が、
英語の他にもう一つの外国語を学びます。
「語学は難しい」という自己暗示的な苦手意識から解放されているので、
素直に彼らは3番目の語学を使いこなせるようになります。
学校訪問の最初と最後で生徒たちの態度や言葉に変化が現れることも
彼らの素直さの表現であり、それにつられるようにして、
お母さんやお父さんも態度や表情、そして自己紹介の言葉などは、
すらすらと言えるようになります。
私はそのような空間が好きですし、それを作るのもコンサルとしての
大切な役割であると思っています。
「たかが挨拶程度で・・・」感動できることが素晴らしいではないですか。
留学は、それを行う人に対して、自己の大きな変化を強要します。
それを受け入れ、試行錯誤し、適応することで、留学生たちは精神的にも、
物理的にも強く、たくましくなっていきます。
一年ごとに変化する彼らを見るのは、コンサルの特権であると言えます。
彼らとその家族に的確で役に立つ情報提供をするために、
私自身も留学生のように素直であることを大切にしたいと思います。