◆ スイスボーディングスクールについて
今年の3月の末、スイスの学校訪問を終えた帰国の日、
チューリッヒでは雪が降りました。
大粒のあられ雪が視界を遮るほどに降ったので、
飛行機が飛ばないのではないかと心配したのですが、
春先の雪がそれほど長くは続くことなく、
飛行機は予定どおりチューリッヒ空港を飛び立ちました。
今回の学校訪問は雪の心配はありませんが、ドイツ語圏、イタリア語圏、
フランス語圏とスイスを一巡する予定です。
使用する交通機関は電車です。
3日間の周遊券は普通席大人1名26100円でした。
アメリカの東海岸のボーディングスクールを訪問することの多い私は、
つい学校訪問のスタンダードをアメリカを基準にして考えてしまいます。
アメリカ大陸の場合、学校訪問の交通手段はほとんど車です。
1時間に80キロから100キロくらいの距離を走ることができるので、
ニューイングランド地方であれば、午前と午後に1校ずつの訪問が通常可能です。
そのような概念でスイスを考えることはできません。
ウィキペディアによるとスイスの面積は41290平方キロ、
人口は787万人となっています。
九州よりも少し大きいですが、人口が1300万人を超す九州と比べても
かなり人口が少ないということがわかります。
また、スイスの山々はとても標高が高く、人々が暮らす地域は、
おおよそが平坦ではなく、山間ということになります。
思いのほか、移動に時間がかかります。
アメリカなら楽々と1日2校訪問できることころが、
各言語圏にある学校を訪問する場合は、半日ほど電車やバス移動もあり得ます。
スイスのボーディングスクールの敷地は、アメリカに比べてかなり
小さくなります。その意味では日本の学校の敷地面積に近いと思います。
しかし、スイスのボーディングスクールの場合、
学校のかたちが類型的な日本とくらべてそれぞれの学校がとても個性的です。
一つの国に4つの言語があるスイスですから、
彼らのスタンダードからすれば、それが当然であるといえるでしょう。
それでも、いずれの学校も公用語はすべて英語です。
また、アメリカボーディングスクールの中にはフランス革命(1789年)よりも
前に創立された学校が多々ありますが、
スイスの主要なボーディングスクールはもっとも古い創立年が1880年です。
スイスラーニングに属しているボーディングスクール10校のうち、
第二次世界大戦後に創立された学校が4校、第一次世界大戦(1914年―1918年)以前に創立された学校が6校です。
つづく