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Emma Willard School-学校ランクと留学生受け入れの歴史

Emma Willard SchoolのDirector of Admission、Jeff Pilgrimさんによると、留学生のためのESLクラスは来年から廃止され、Tutor(個人教授)に変更される予定とのことです。アジアからの留学生の英語力が近年上昇し、TOEFLスコアが60点を上回るために、留学生のために特別に英語の授業を施す必要がないということです。
これで、Emma Willard Schoolの入学難易度がランク4を超えることが確実になります。現在、この学校で学ぶ日本人留学生はすべてバイリンガルです。また、中国、韓国からの留学生は日本人留学生よりも圧倒的に多いですが、ESLを必要とする生徒はほとんどいません。
Emma Willard Schoolのアジアからの留学生を受け入れは80年代の初めころから活発になります。当時は英語力が初級程度であっても、成績がよく、推薦状や本人の志望動機の作文などから、学習習慣とセンスが認められれば、インタビュー次第で合格できました。ダイバーシティー(多様性)を重んじるこの学校での教育においては、なるべく多くの国々から留学生を受け入れることが、重視されているからです。そして、アメリカのみでの生徒募集では、それ以前のように就学生徒が集まらないという理由もありました。
その後、日本、韓国、中国と順番に国が経済的に豊かになるのに伴い、それらの国からのボーディングスクール志願者が順調に伸びました。80年代の半ばから後半にかけて、Emma Willard SchoolはESLクラスを編成し、留学生受け入れのためのインフラを整備しました。日本のバブル期には多くの日本人留学生を受け入れましたが、ESLクラスが絶対に必要な生徒が圧倒的に多かったわけです。
バブルがはじけて、日本からの留学生が極端に減る一方で台頭してきたのが、韓国です。韓国は日本と違って、最高の学歴はアイビーリーグの大学を卒業することですから、ボーディングスクール入学に対する熱意とその準備学習は徹底していました。Emma Willard Schoolに入学する韓国からの生徒は、すでに相当の英語力を持って入学してくるわけです。
90年代の後半になって、韓国経済バブルがはじけます。それに取って代わったのが中国です。現在、Emma Willard Schoolだけでなく、ほとんどのボーディングスクールで留学生の筆頭を中国人が占めています。ともすると留学生全体の中で、中国人が半分以上を占めるボーディングスクールが多い中で、Emma Willard Schoolは上手に留学生バランスを取って運営されています。
30年以上にわたって運営されてきたESLクラスが終了するというEmma Willard Schoolの状況から読み取れるのは、世界がボーディングスクールの教育を認めて、その英語力を基本とする入学難易度が上昇するということです。
女子校として成功をおさめているボーディングスクールのなかでも人気の高いEmma Willard Schoolですから、一人でも多くの人にこの学校で学んでもらいたいと私は思いますが、英語力が最初から問題にされます。それに対応できる教育を日本で考えるか、あるいは中学校から留学するか。
世界で通用する英語教育を私たちは、真剣に考える時期になっています。

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